映画「アラビアのロレンス」や「ドクトル・ジバゴ」に出演したエジプト出身の俳優、オマー・シャリフさんが10日、 心臓発作のためカイロの病院で死去した。８３歳だった。英国の主要メディアが伝えた。 　オマー・シャリフさんは1932年にエジプトの第２の都市アレクサンドリアに生まれ、 カイロ大学で数学を学んだあと、50年代に映画界に入り、国民的な人気を集める俳優になった。 　1962年には、英国のデビッド・リーン監督による世界的なヒット作品「アラビアのロレンス」に出演し、 アラブ人の独立運動に加わった砂漠の民ベドウィンの部族長の演技で、 アカデミー賞の助演男優賞の候補にもなった。 　英語やフランス語、それにギリシャ語などが堪能だったシャリフさんは、 アメリカやヨーロッパを中心にさまざまな国の映画に出演し、 「ドクトル・ジバゴ」（65年）ではロシア革命に翻弄される医師の役を、 「うたかたの恋」（68年）ではオーストリア・ハンガリー帝国の皇太子の役を演じた。 　シャリフさんは半世紀にわたってアラブ世界を代表する俳優として活躍したが、 国営メディアによると、晩年、アルツハイマー病を発症し、療養中だったカイロ市内の病院で10日、 心臓発作のため亡くなった。