映画「甘い生活」の主演を務めたスウェーデン人女優のアニタ・エクバーグ(Anita Ekberg、
本名:Kerstin Anita Marianne Ekberg)さんが1月11日、
イタリア・ローマで死去した。83歳。
AP通信によると、2014年のクリスマス以降、病気で入院しており、 ここ数日は悪化していたという。 1931年9月29日、スウェーデン南部の都市マルメ生れ。1951年にミス・スウェーデンに選ばれ、 ミス・ユニバース世界大会に出場。入選はしなかったが、ハリウッドのモデルとなり、 のちに端役で映画出演を始める。 フェデリコ・フェリーニ監督の「甘い生活」(La Dolce Vita)が大ヒットし、 スターダムにのしあがる。アメリカの女優役で、 ローマ中心部の観光名所「トレビの泉」で水浴びするシーンや、 黒いドレスに身を包んで、新聞記者役を演じた相手役の俳優マルチェロ・マストロヤンニを 「マルチェロ」と呼ぶシーンは、映画史に残る場面となった。 フェリーニ監督はこの作品で、カンヌ国 |
際映画祭の最高賞・パルムドールを受賞した。
2005年にスウェーデンのラジオに出演したエクバーグは、当時の裏話を語っている。 2月の撮影で泉の水は冷たく、マストロヤンニはウォッカの飲み過ぎで泉の中でつまづいたという。 「本当に寒くて、脚の感覚がなくなってスタッフに運び出してもらったの」と振り返った。 その後、フェリーニ監督の「フェリーニの道化師」や「インテルビスタ」など、 イタリアで多くの映画に出演した。グラマラスなボディーが人気を呼び、 1950年代から60年代にかけて、タブロイド紙の人気スターとなった。 ゴシップ紙では、北欧出身であることをもじって「氷山」とも称された。 しかしスウェーデンではヒット作に恵まれず、 祖国を捨ててアメリカ英語になじもうとする彼女を現地の記者たちに揶揄され、しばしば対立した。 イタリアで事実上の引退生活を送り、経済的に困窮していた。 |