訃報：米女優ジェニファー・ジョーンズさんが死去

映画「聖処女」(1943)でアカデミー主演女優賞を受賞したジェニファー・ジョーンズ（Jennifer Jones 　本名フィリス・リー・イスリーPhylis Lee Isley）さんが2009年12月17日、老衰のため死去した。９０歳だった。遺族の関係者が明らかにした。 　ジェニファー・ジョーンズは、オクラホマ州タルサで1919年3月2日生。 両親は巡業劇団を持っていたため、子供の頃から舞台に立っていた。 地元のカレッジとイリノイ州エバンストンのノースウェスタン大学で演劇を学んだ後、 ニューヨーク市内の演劇学校に通った。 　19歳の時に同じく俳優の卵であったロバート・ウォーカー（アルフレッド・ヒッチコック監督の 「見知らぬ乗客」が有名）と結婚。夫がラジオの仕事を得、ジョーンズも端役で西部劇などに 出演するようになる。 　ある時、舞台のオーディションのために映画プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの オフィスに行き、セルズニックに認められて彼の元で契約を交わすことになった。 　その後、名前をジェニファー・ジョーンズと改め、1943年「聖処女」に主演、 アカデミー主演女優賞を受賞した。 　1944年には最初の夫と離婚、1949年にセルズニックと再婚し、彼の元で様々なジャンルの映画に出演、アカデミー賞に4度ノミネートされるなど高い評価を得た。 　1955年（昭和30年）1月30日、『慕情』の香港ロケへ向かう途中に共演のウィリアム・ホールデンと 来日を果たしている。 　1965年のセルズニックの死後はほとんど引退状態であったが、1974年の「タワーリング・インフェルノ」に顔を出している。

「タワーリング・インフェルノ」以降は俳優活動を行うことが完全に無くなり、メディアへの 露出も幾つかのドキュメンタリー番組に顔を出す程度であったが、 1998年の第70回アカデミー賞授賞式と2003年の 第75回アカデミー賞授賞式に登場し、健在ぶりをアピールすることもあった。 　＝主な出演作＝ 聖処女＝The Song of Bernadette (1943) 君去りし後＝Since You Went Away (1944) ラヴレター（1945） 小間使（1946） 白昼の決闘＝Duel in the Sun (1946) ジェニイの肖像＝Portrait of Jennie (1948) ボヴァリー夫人＝Madame Bovary (1949) 女狐（1950） 黄昏 (1951） ルビイ（1952） 悪魔をやっつけろ＝Beat the Devil (1953) 終着駅＝Stazione Termini (1954) 慕情＝Love Is a Many-Splendored Thing (1955) 　　　 美わしき想い出(1955) 灰色の服を着た男＝The Man in the Gray Flannel Suit (1956) 武器よさらば＝A Farewell to Arms (1957) 夜は帰って来ない(1961) タワーリング・インフェルノ＝The Towering Inferno (1974)