ピアノの上のお雛様

うちのババ作

 “多種文字所有国”。日本人ほど種類の違う文字を使っている民族が あるのだろうか。漢字、平仮名、片仮名、英字。 少なくともこの4種類を読むことも書くこともできる。

 漢字の本家本元の中国では、画数の多い漢字を簡略化して使い、 外国語も漢字の音で表している。 韓国では、いまや漢字を捨てて、すべてハングル(文字)にしてしまった。 これによって文盲率が減ったという。 日本でも戦後、日本語をすべてローマ字表記にすべきという運動があった。 そうすれば子どもはアルファベット26文字 さえ覚えればすむという論である。

 幸か不幸か、今日、私たちは4種の文字を縦横に使っている。 とくに片仮名と英字の氾濫?は目に余るものがある。 何十年も前の辞書にも、「氾濫」の使い方の例として「外来語のーー」とある。

 現在は、外来語どころではない。外国語そのもので、造語も行われている。 雑誌名、車種名、衣類、ロゴマーク・・・みなアルファベットだ。国際的にも通用するようにか、 カッコイイからか。 生花、料理、ケーキ、ファッション、・・・みな片仮名だ。国際化とは関係ないから。

 最近は、これに反する動きが市町村名に出てきた。が、「・・・しているさいたま市では」と書かれると、 これが埼玉に結びつくまで時間がかかってしまって滑稽だ。


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