五 百 羅 漢 (川越大師)



 五百羅漢  釈迦没後、 第一結集(けつじゅう)、または第四
結集に集まった500人の阿羅漢(仏教で悟りを得て人々の尊敬と
供養を受ける資格を備えた人)。またその人たちをまつったところ。



当地の羅漢は、川越北田島の志誠(しじょう)
の発願(ほつがん)によって、天明2年(1782)
から文政8年(1825)の約50年間にわたって
建立されたもの。
535尊者のほか釈迦如来など合わせて 540
体が鎮座している。



何事かを耳打ちする羅漢


羅漢の頭にトンボ

 五百羅漢の顔を眺めていると、2世紀も前のものとは思えず、 現代の世相をそのまま現している。と同時に、己の姿が映し出されていて、時に恐ろしくなってくる。

 喜怒哀楽の表情のある中で、怖いのや悲しそうなのは見ないようにして、 どうしても楽しそうな嬉しそうな方に目が行ってしまう。現実を直視したくないのだろう。

 滋賀県琵琶湖の近くで見た五百羅漢は、小さな人工の小山の上に点在している自然の姿だった。 こちら川越は塀の中に整然と並べられてあり、残念だ。いつの時代にこうなったのか説明はないが、 元の状態が知りたい。

 阿羅漢が、悟りを得て人々の尊敬と供養を受ける資格を備えた人というなら、 どうして、あのような苦しみの顔、寂しげな顔、怒りの顔・・・があるのだろうか。 いつまで見ていても飽きることがない。


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