レベッカ

<Rebecca>   (40年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚本

撮影
音楽

<キャスト>
マキシム・デ・ウインター
カロライン(わたし)
ジャック・ファベル
ベイカー医師

デビッド・0・セルズニック
アルフレッド・ヒッチコック
ダフネ・デュ・モーリア
ロバー卜・E・シャーウッド
ジョーン・シンプソン
ジョージ・バーンズ
フランツ・ワックスマン


ローレンス・オリビエ
ジョーン・フォンテン
ジョージ・サンダース
レオ・G・キャロル
 「嵐が丘」のエミリー・ブロンテとならんで、英文学の女流作家として世界文学史に名を残している ダフネ・テュ・モーリアの最高傑作を、「断崖」「北北西に進路をとれ」「引き裂かれたカーテン」などの アルフレッド・ヒッチコック監督が、1940年に作った文芸大作。ロマンの香り高いこの作品は、 同年のアカデミー最優秀作品賞を獲得した。
 主演は、「嵐が丘」「オセロ」などの名優ローレンス・オリビエと、「断崖」(アカデミー主演女優賞) 「ある微笑」のジョーン・フォンテン。過去のおもいでに苦しむ夫をオリビエが、そしてその夫に新しい 愛をささげようとする妻の役をフォンテンが見事に演じている。ほかに、「金庫破り」 「モール・フランダースの愛の冒険」のジョージ・サンダース、「嵐が丘」のレオ・G・キャロルらが 脇をかためている。
 製作は「風と共に去りぬ」など、数多くの名作を生みだしたデビッド・0・セルズニック。 撮影を担当した「地上最大のショウ」などのベテラン、ジョージ・バーンズは、 この映画でアカデミー黒白撮影賞を受賞した。
 最高のスタッフとキャストによって映画化されたこの名作は、「嵐が丘」とならんで永遠に映画史に残るものである。


 <梗概>  私が、英国の大富豪として有名なマキシム・デ・ウインターに初めて会ったのは、 モンテカルロだった。ある未亡人の秘書をやっていた貧之な小娘の私と、 英国コーンウォールの海岸にマングレイという大きな館をもったマキシムとは、 まるで別の世界に住む人間のはずだった。一年前、レベッカという美しい妻がヨットの
遭難事故で死んで以来、 マキシムの顔から笑いがなくなったと噂されている。
 そのマキシムがどうして私に関心を示し、結婚まで申しこんだのであろうか。ひとりの身よりもない、 恋も知らない私が、不安を感じながらも胸がときめいてきたのを、誰が責めることができよう。
 ふたりだけの結婚式。生涯忘れることのできない新婚旅行。そして、私は新しいデ・ウインター夫人として マングレイに来た。豪壮な館。どこまでも続く森。十数人の召使いたち。すべてが私のものなのだ。 私の前に、突然新しい人生が開けたのだ。……しかし、私を見る召使いたちの目には、なにか冷たいものがあった。 ことに、レベッカを敬慕していた家事を取締まっているデンバース夫人は、貧乏娘として私をさげすみ、 絶対に私をマキシムの妻とは認めようとしなかった。レベッカ、美しく聡明だったレベッカ、……すべてがレベッカだった。
 それでも夫の愛さえあれば耐えることができたろう。ところが、マキシムさえもが私によそよそしくし、 ふたりの愛を確かめようとしても、焦立たしそうにするだけなのだ。富豪と小娘、やはりマキシムは、 レベッカを忘れる気晴らしのために結婚したのだろうか。胸をときめかせながらついてきた自分が愚かだったのだろうか。
 あるパーティの夜、私はデンバース夫人にすすめられ、マキシムの好みだというドレスで広間にでた。 私は、マキシムの喜こぶ顔を期待していた。しかし、私の期待は裏切られ、マキシムの顔は怒りでゆがんだ。 そのドレスはレベッカが好んで着ていたものであり、私を追いだそうとするデンバース夫人の冷酷なたくらみだったのだ。 マキシムと私のと間は絶望的なものに思われ、私は自殺さえ考えるようになった。 ・・・  (130分)

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