気まぐれバス

<The Wayward Bus> (57年)

<スタッフ>
製作
監督
脚本
原作
撮影
作曲
指揮

<キャスト>
アリス・チコイ
カミール
アーネスト・ホートン
ジョニー

チャールズ・ブラケット
ヴィクター・ヴィカス
イヴァン・モファット
ジョン・スタインベック
チャールズ・G・クラーク
リー・ハーライン
ライオネル・ニューマン


ジョーン・コリンズ
ジェーン・マンスフィールド
ダン・デイリー
リック・ジェイスン
 カリフォルニヤのサリナス渓谷を行く1台の乗合自動車スイート・ハート号。 その中には現代アメリカ社会の縮図が、特殊な構成の中にうずまいて行く… ジョン・スタインベックが1947年、自分の生地であるカリフォルニヤ、サリナス渓谷を舞台に発表したこの小説は、 これまでスタインベックが貧困というものに限界状況を設定しているのに対して、 更に人間の本質的な問題であるセックスの面にまでそれを発展させた新らしい転換点に立った作品と言われている。
 映画「気まぐれバス」は人間を本能の面からムキダシに描くことで有名な作家ジョン・スタインベックが 自らとくに "何よりもセックスを描こうとした" と語る映画である。 それだけに、これの映画化は容易なことではなかったがチャールス・ブラケット製作による この映画はとにかく映画のワクのなかに原作のネライとその強烈な人物たちの織りなすドラマの 面白さを移しかえることに成功したようである。

 <物語>  ここカリフォルニヤ・サリナスの空は嵐をはらんで荒れていた。 バス乗りつぎ所のジョニー・チーコイはやがて来る「銀狐号」の交換車として、 持車「スイート・ハート」を使用人の少年ニキビと点検していた。
 一方店では映画フアンのノーマがジョニーの妻アリスのいいつけで銀狐号の乗客の為にコーヒーの用意に忙がしい。 ジョニーによると彼女は「皿をこわさずに過ごす日はない」そうであるが、 ノーマに言わせるとジョニーの妻アリスが彼女を神経質にさせるのだそうである。 
 アリスの寝室は散らかり放だいである。昨夜からのことで彼女は荒れ気味であり、 ノーマやニキビにあたりちらしていた。彼女は生活と愛情に疲れているのである。
 銀狐号が到着して、ブリッチャード夫妻、その娘ミルドレッド、セ−ルスマンのアーネスト、 金髪美人カミイル等が降り立った。 ニキビはカミイルに気を奪われた様である。ミルドレッドはジョニイのシャツにコーヒーをこぼし、 ミルドレッドがあるラヴアフェア一に失敗した後の旅行であるだけにブリッチャード夫人の気をもませた。
 ラジオはサンフアンへの国道が嵐の為に危険であることを告げていた。 乗客の一人であるうるさ方の老人ヴアン・ブランドがどうしても州事務所へ行かねばならぬと云うのに対して ジョニイは、河があふれてなければ可能だと答えた。カミイルは店の雑誌棚にいやなものを見つけた。 彼女が街で宴会等の席上ストリップを見せる広告ののっている雑誌である。 生まれついた個性の為に、彼女自身というより周囲の男達がそうしてしまった彼女の生活だった。 アーネストがハリウッドに友達が居ると話した事からノーマは彼に自分の希望をたくそうと考え、 バスト33、ウエスト22と記入したリストを渡そうとしたがアリスがひったくってしまった。 それは一種の嫉妬をもふくんでいたのである。
 ジョニイは2人の争いをわけてアリスを寝室に連れこんだが、2人の感情までもつれてしまった。 ノーマは店をやめてハリウッドへ行こうと決心した。ノーマを加えて乗客達は「スイートハート」に のりこんだ。 ・・・
    (113分)

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