アレキサンダー大王<Alexander the Great> (56年米西) |
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<スタッフ> 製作・監督・脚本 撮影 <キャスト> アレキサンダー大王 マケドニア王フィリップ バシーヌ オリンピアス ペルシャ王ダリアス アタラス メムノン |
ロバート・ロッセン ロバート・クラスカー リチャード・バートン フレドリック・マーチ クレア・ブルーム ダニエル・ダリュウ ハリー・アンドルース スタンリイ・ベーカー ピーター・カッシング |
ロバート・ロッセンは紀元前4世紀、マケドニアのフィリップの子として生れ
戦略の天才とうたわれて26才の若さ当時知られていた全世界を征服したアレキサンダー大王の
生涯を映画化しようと思い立ってから、完成迄に実に4年の年月を費した。
製作・監督・脚本のロバート・ロッセンは「Body and Soul」「すべての家来」などで 著名な人であるが、最近の数年は、この「アレキサンダー大王」一作の製作に打ち込んでいたものである。 世界の征服者の生涯を描いた、この作品が、目ぎましい戦闘場面や、力強いタッチを持っているのは むろんの事であるが、ロッセンはアレキサンダーの内心の悩みを掘り下げて、人間としての彼を描く事にも 心を注いだ。 そして、こうした意図に基いて、配役にも細心の注意を払い、主役にイギリスから 舞台俳優のリチャート・バートン(砂漠の鼡、雨のランチプール)を迎え、フィリップには フレドリック・マーチ(セールスマンの死、必死の逃亡者)、アレキサンダーの唯一人の恋人パシーヌには クレア・ブルーム(ライムライト、リチャード三世)、更に、フィリップの王妃で気性の烈しいオリムピアに、 フランスからダニエル・ダリュウを配して、演技畑で固めた強力な主演者を並べた。 助演には「ガラスの靴」の英国の舞台俳優バリー・ジョンズ、「善人は若死にする」のスタンリイ・ベーカー、 英国の舞台俳優で本職は医者だというニオール・マクギニス、やはり英国の舞台俳優で「彩られし幻想曲」等に 出演のハリー・アンドルース、「情事の終り」でデボラ・カーの夫を演じたピーター・カッシング、 「島のならず者」のマイクル・ホーデーン等が出演している。 キャメラは英国第一と称されるロバート・クラスカアがテクニカラー撮影を担当、 アンドレ・アンドレジューが装置のデザイン、ディヴィッド・フォルクスが衣裳デザインを担当した。 | <物語>
紀元前四世紀の半ばの事。マケドニアの王フィリップは大軍を率いて、ギリシャの都市を
次々に陥落させ、首都アテネ近くのオリントスまで攻め寄せて来ていた。
アテネでは、雄弁家として並びもないデモステネスが市民に、ギリシャを守る為に即刻兵を派して、
オリントスを救援すべきだと説いたが、既に多数の市民がフィリップスの黄金を賄賂に貰っていた為、
この動機は葬られてしまった。
フィリップは精力的な、女に目のない男でアテネの人たちは彼を野蛮人とよんでいた。 アテネの救援がない侭に、オリントスもフィリップの手に落ち、町は焼かれ、 人々は捕虜となった。しかし、フィリップは、アテネを攻める事は 却っでギリシャ人の愛国心を鼓舞させるばかりだと考え、捕虜を釈放する。 戦勝の宴の夜、マケドニアから王妃のオリンピアが男子を生んだ知らせが届いた。 フィリップはすぐ軍を引張ってマケドニアの首都ベラへと急いだ。しかし、この帰途、 フィリップの耳に可嫌な噂が入った。王妃の親友の予言者ネクタネバスは元エジプト王だと云う噂だが、 王の不在に王妃が妊娠したのは彼の魔術の子だというのである。 フィリップは美しいオリンピアと、新しい息子に会った。子供はアレキサンダーと名づけられていた。 ネクタネバスは子供が生れる時に起こったもろもろの兆しから、これは神の子だと断言した。 フィリップは怒って彼を殺そうとしたが、側近にとめられてしまった。 アレキサンダーが13才になった時、フィリップはアリストテレスを招いて、学問の師にした。 アレキサンダーは首都を離れ、4人の学友と共に学問にいそしんだ。アリストテレスは 彼に人間としての、王者としての道を説いた。この頃から彼はイリヤッドを愛読してギリシャの 英雄に憧れた。彼は神のように美しい思慮深い少年となっていた。・・・ (135分) |