十 戒

<The Ten Commandments>   (56年)

<スタッフ>
製作・監督
脚色



撮影
音楽

<キャスト>
モーゼ
ラメシス
ネフレテリ
デイサン
セフォラ
リリア
ヨシュア
セテイ
ビシア
ヨシャベル
メムネット
バーカ
アロン
ペンタウル

セシル・B・デミル
エニアス・マッケンジー
ジェシ・L・ラスキー・Jr
ジャック・ガリス
フレドリック・M・フランク
ロイヤル・グリグス
エルマー・バーンスティン


チャールトン・ヘストン
ユル・ブリナー
アン・バクスター
エドワード・G・ロビンソン
イボンヌ・デカルロ
デブラ・バジェット
ジョン・デレク
サー・セドリック・ハードウィック
ニナ・フォック
マーサ・スコット
ジュディス・アンダーソン
ビンセント・プライス
ジョン・カラダイン
ヘンリー・ウィルコクソン
 映画史上最大の作品ということばは超大作の場合にいつもつかわれるが、このことばが 文字どおりに何のかけ値もなく通用する映画はこの「十戒」のほかにない。アメリカ映画では もちろん、全世界を通じて、企画から完成までにこれほどの大きな規模と構想とを持った 映画はいままでになかった。おそらく、今後もあらわれないであろう。
 「十戒」の企画は10年前にはじまった。セシル・B・デミル監督が 1923年につくった名作「十戒」の再映画化を企ててから、題材の考証研究に3年、 現地エジプトのロケハンとシナリオの執筆に3年、撮影にかかるまでの準備に3年を要し、 撮影がはじまってからのロケ3ヵ月セット4ヵ月という日数も ハリウッドでの撮影日数の最長記録である。
 シナリオは以上の考証・調査・研究にもとずいてエニアス・マッケンジーら4人が執筆したも ので、全部で308ページ、ふつうの大作の3倍の分量があった。
 撮影監督ははじめジョージ・バーンズの予定であったが、バーンズが死んで、 「シェーン」「地上最大のショウ」のロイヤル・グリグスが代った。とくに しるしておかなければならないのは特殊撮影を担当したジョン・P・フルトンの功績で、 紅海が二つに割れる場面等々でみごとな腕を見せ、1957年度のアカデミー特殊撮影賞をもらっている。
 美術・セット・衣裳・メーキァップが厳重な考証のもとに行われたのは当然のことだが、 衣裳やメーキァップや小道具は24人のスターのほかにエキストラが25,000人も動員されたので、 パラマウント撮影所の全能力をあげても、まだたりないほどだった。
 配役はデミル一流のぜいたくをきわめたもので、「地上最大のショウ」 「三人のあらくれ者」のチャールトン・ヘストン、「王様と私」「追想」のユル・ブリナーを筆頭に、 「イヴの総て」「三人のあらくれ者」のアン・バクスター、「キー・ラーゴ」「地獄の埠頭」の エドワード・G・ロビンソン、「白い羽「やさしく愛して」のデブラ・パジェット、 「追われる男」「裸の天使」のジョン・デレク、「巴里のアメリカ人」「重役室」のニナ・フォック、 「地中海夫人」「死闘の丘」のイボンヌ・デカルロ、 「リチャード三世」「放浪の王者」のサー・セドリック・ハードウィック、「必死の逃亡者」 「サヨナラ」のマーサ・スコットなどの老巧新鋭を配し、さらにジュディス・アンダーソン、 ビンセント・プライス、ジョン・カラダイン、ヘンリイ・ウィルコックソンその他知名のワキ役俳優が ずらりと顔をならべている。
 音楽は「黄金の腕」で名をあげた新進エルマー・バーンスティンの担当。
 なお、この映画のぼう大な製作費を上廻る配給収入を挙げた作品は映画史上 僅かに6作品あるに過ぎない。  (232分)

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