悪人への貢物<Tribute to a Bad Man> (56年) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作 脚色・脚本 撮影 音楽 編集 <キャスト> ジェレミイ・ローダック スティーヴ・ミラー マクナルテイ ジョコスタ・コンスタンティン ラース・ピーターソン |
サム・ジンパリスト ロバート・ワイズ マイケル・ブランクフォート ジャック・シェーファー ロバート・サーティース ミクロス・ローザ ラルフ・E・ウィンタース ジェイムス・キャグニイ ドン・ダピンス ステイーヴン・マクナリイ アイリン・パパス ヴィック・モロウ |
独立の歴史も浅くアメリカが、その溌展の為に馬を必要とした19世紀の半ばすぎ、
勇気と先見の明あるタフな男達は、危険を危して馬を育て、それが若い国民を西へ西へと動かしていく原動力となった。
此の荒らくれ男達が育てた馬が、ポニイ・エキスプレスと呼ばれた幌馬車や駅馬車をどんどん西部の奥深く送り込んで、
華々し西部開拓の歴史を築き上げたのである。
その強靭な馬も又、広漠たる山野で育てられた。此処では無法者に対する法律があっても無いに等しいものだった。 命を賭けて男達は馬を守らねばならなかった。 これは、馬を育てると云う唯一の目的の為に、心の目を失って悪人と呼ばれた男、ジェレミイ・ローダックの物語りである。 その悪人に「ミスター・ロバーツ」「情欲の態魔」のジェイムス・キャグニー、対手役にギリシャ出身の新進女優アイリン・パパスが聖林映画初出演している。 その他「恐怖の土曜日」のスティープン・マクナリイ、「暴力教室」のヴィック・モロウ、 そして「お茶と同情」等、舞台で活躍した新人ドン・ダピンスが、西部へ職を求めて旅する途中、はからずも悪人と会い様々な体験を知り乍ら人間的成長をとげる東部生れの熟年に扮している。 | <物語>
1873年。カウボーイを志ざす若者スティーヴ・ミラーが、ペンシルヴァニアからワイオミングの山の中へさしかかった時、
激しい銃声のコダマが、周辺の静寂を破った。ここは人里遠い広漠たるワイオミングの牧草地、
ジェレミイ・ローダックの私有地で、見渡す限り果てしもなく続く土地、そしてそこに草を喰むの無数の馬は
すべてジェレミイのものであった。
一見強情と分るジェレミイは、この土地に馬を育て、自分の法律で馬を守って来のであった。 ここには馬泥棒に裁判はない。捕り次第絞り首である。 しかし、このジェレミイが今、窮地に陥っているのである。彼の馬は死に、ジェレミイ自身は傷つき、馬泥棒達に包囲されてしまった。 スティーヴ・ミラーの聞いた銃声は、彼らの打ち合う銃声であった。彼の出現で馬泥棒達は、ジェレミイを締めて逃げ散った。 スティーヴはジェレミイを助けて彼の家まで送り届けた。 カウボーイを希望するスティーヴは、ジェレミイの処で職を与えられ、ジェレミイの女、ジョコスタ・コンスタンティンに紹介された。 ジェレミイの愛人として此の家にいる彼女は、スティーヴの目には奇異に映ったが、東部生れのハニカミ屋のスティーヴをジョコスタはやさしい目で迎えた。 (95分) |