バスク決死隊

<Thunder in the Sun>   (59年)

<スタッフ>
製作
監督・脚色
原作

撮影
美術
作曲

<キャスト>
ガプリエル・ドーファン
ロン・ベネット
ピープ・ドーファン

クラーレンス・グリーン
ラッセル・ラウズ
ギューイ・トロスペル
ジェームス・ヒル
スタンリー・コルテッツ
ボリス・リーブン
シリル・モックリッジ


スーザン・ヘイワード
ジェフ・チャンドラー
ジャック・ベルジュラック
 1958年度のアカデミー主演女優賞を獲得したスーザソ・ヘイワードの 「私は死にたくない」に次ぐ出演作品。
 製作、監督は「0番号の家」「必殺の銃弾」など、常に異色の題材をとりあげて話題をなげている クラーレンス・グリーン(製作)とラッセル・ラウズ(監督)のコンビ。 この映画でも今までスクリーンに描かれたことのないバスク地方のフランス人の風変りな服装、 習慣、戦斗などが取り入れられていて、従来の西部劇に見られない奇抜な面白味を出している。
 脚本はギューイ・トロスペルとジェームス・ヒルのオリジナルにもとづいて、 監督のラッセル・ラウズが自ら執筆した。
 撮影は「イブの三つの顔」のスタンリー・コルテッツ。
 ヘイワードの相手役をつとめるのは「全艦発進せよ」「白人部隊撃滅」のジェフ・チャンドラーと 「魅惑の巴里」「恋の手ほどき」のフランス出身の新進二枚目ジャック・ベルジュラックの2人で、 ベルジュラックはこの映画の上だけでなく、純粋のバスク人である。 その他、映画より欧米の舞台で知られているブランシュ・ユルカ、オーストリアの舞台出身で 目下欧米の映画で活躍中のカール・エズモンドが助演している。
 なお、ヘイワードがこの映画の中で踊る情熱的なバスクの踊は、欧州最高の踊の名手、 ペドロ・デ・コルドバの振付になるもので、コルドバ自身がこの場面で踊の相手役をつとめている。

 <梗概>  ミズリー州インデペンデンスのある酒場。二日酔で痛む頭をかかえながらロン・ベネットは、 カリフォルニアに向うバスク人の幌馬車隊を案内してインデペンデンスを発つことになっているのを 思い出した。1837年のことだつた。
 ロンは7才の時両親に死に分れ、それ以来遊牧者のキャンプや幌馬車の中で生宿してきたので 道案内にはなれていたが、今度の仕事だけは何か気になって
仕方がなかった。 というのは、彼の案内しようとする一行が普通の開拓民でなく、いまだに、ベレーをかぶり、 故郷フランスのペレネー地方の風変りな習慣を身につけたバスク人だったからである。
 一行を指揮しているのはアンドレ・ドーファンという男で、アンドレは一行をカリフォルニアに 移住させ、フランスからわざわざ持ってきたブドウの苗を育てて新しい天地を建設しようという 理想に燃えていた。アンドレにはガブリエルという若い妻と弟ピープがいた。 ガプリエルはバスクの習慣に従って、子供の頃、アンドレの許婚になったので、年上の夫を 尊敬はしていたが、愛していなかった。ピープはその兄嫁に秘かに想いをよせていた。
 ロンはこの女、子供を混えたバスク人の幌馬車隊を見ると、約束の道案内をしたものかどうか 迷ったが、一行の中に情熱的なバスクの踊りをおどる美しいガブリエルの姿を見つけると、 急に引受ける気になった。
 いよいよ長くて困苦に満ちた旅が始まった。一行が旅に出て間もなく、 ある夜ロンはガプリエルが水浴びに出かけた後をつけ、彼女にいゝよろうとしたが、 彼女に平手打ちをくらい止むなくその場を引き退った。反ってロンはそんなガプリエルが気に入り、 諦めようとしなかった。
 平穏な旅が続いたある夜、ロンはガプリエルをキャンプの外に誘い出した。 ガプリエルが一生懸命にバスクの習慣を話して聞かせている最中に、ロンは強引にキッスしょうとした。 ガブリエルは思わず大きな悲鳴をあげた。丁度警備に立っていたアンドレが聞きつけ、 助けに馳けつけたが、誤って仲間の歩哨に射殺されてしまった。この事件でガプリエルの心は 一層頑固となり、二度とロンの誘いに応じようとはしなかった。
 アンドレの死は一行の間に思わぬ混乱を巻き起した。指揮者がいない今となってはカリフォルニアに 行っても無駄だというのだった。しかし、ガブリエルの説得に動かされて、 一行は再びカリフォルニア目ざして旅についた。 ・・・    (81分)

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