シェーン

<Shane>   (53年)

<スタッフ>
製作・監督
原作
脚色
撮影
美術

音楽
編集


<キャスト>
シェーン
ジョー・スターレット
マリアン・スターレット
ジョーイ・スターレット
ウィルスン
クリス
ルイス

ジョージ・スティーブンス
ジャック・シェーファー
A・B・ガスリー・Jr
ロイヤル・グリグス
ハル・ペリーラ
ウォルター・タイラー
ビクター・ヤング
ウィリアム・ホーンベッグ
トム・マカドゥ


アラン・ラッド
バン・へフリン
ジーン・アーサー
ブランドン・デ・ワイルド
ジャック・パランス
ベン・ジョンスン
エドガー・ブキャナン
 西部劇映画に新しい境地を開いた「シェーン」については、今更縷説するまでもあるまい。 ほんとうの意味で、傑作と呼ぶことを許される稀有の名画である。1953年秋に封切られて以来、 主題歌「遥かなる山の呼び声」を愛唱するする声は、今日に至るも尚、絶えることがない。
 脚本を書いたピュリッツァー賞作家、A・B・ガスリー・ジュニアは、西部開拓の史実に詳しく 考証は綿密をきわめ、撮影に当ったロイヤル・グリグスはこの作品でアカデミー賞を獲得している。 「ジャイアンツ」「アンネの日記」の名匠、ジョージ・スティーブンス監督の表現は、 最適の俳優アラン・ラッドを得て、緩急自在、精妙類いなき画面を創造したのであった。
 また、西部劇の中で殺し屋に印象づけたものとしては、これが最初ではなかろうか。 雷鳴その他の瞬間音響の効果から、犬、子供、野鹿などの道具立てに至るまで、 すべて周到な計算の上に立った技巧には目の覚めるような鮮やかさがある。
 しかしながら、最近のテレビなどで西部劇のファンになった若い人たちの問には、 この「シェーン」を観る機会に恵まれなかった人が多く、そして再上映を熱望する声が 意想外に大きい。「シェーン」が再び公開されるこの好機を逸することなく、 名作のいかなるものであるかを、よくよく御覧いただきたい。
 <梗概>  はるか向うにそびえ立つ青い山々の姿が、残っている雪の白さとともに鮮やかに眼にうつる、 ワイオミングの高原も今は夏、草木の緑のいよいよ爽やかになる季節である。
 この草原の、とある川のほとりで遊んでいる鹿を、至近距離の銃口が狙っていた。 と言っても、実はジョーイという小さな男の子が持たされていた、弾の入っていない猟銃である。
 子供は、射ってみたくてみたくてしかたがなかったのだろう…。 一見のどかな、そんな風景の裏には、しかし、住人同志の争いが続けられていた。 東部から移住して来る開拓民が増えるにつれ、古くからこの土地に住んでいる 牧場主ライカーは、牛を放し飼いにする場所に窮して、彼等を追い立てにかかったからだ。 1890年のことである。
 ――不意に、鹿が飛び跳ねた。と、そのむこうから、馬に乗った男がやって来るので、 少年はそのことを父親のジョー・スターレットに告げた。
 北に行く途中だというその男は、いんぎんに一杯の水を求めた。一分のすきもないいでたちで、 態度も落ち着いていたが、子供がカチリと銃を鳴らすと、さっと身をかがめてピストルを構えたりする、 不思議な鋭さを秘めたその男は、シェーンと名乗った。 ・・・   (118分)

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