西部の旅がらす

<Saddle The Wind> (58年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚本
撮影
音楽

<キャスト>
スティーブ・シンクレア
ジョーン・ブレイク
トニー・シンクレア
デニーン老
ラリイ・ベナブル

アーマンド・ドイッチ
ロバート・パリッシュ
トーマス・トンプソン
ロッド・サーリング
ジョージ・J・フォルシー
ジェフ・アレクサンダー


ロバート・テイラー
ジュリー・ロンドン
ジョン・カサヴェッツ
ドナルド・クリスプ
チャールズ・マッグロー
 早射ちの名人という名に魅せられたカウボーイの非 惨な最期を、サスペンスをまじえて描いた西部活劇である。 
 主演は、「最後の銃撃」のロバート・テーラー。「ララミーから来た男」のドナルド・クリスプの 二大スターに、「女はそれを我慢できない」のジュリー・ロンドン、「東京特ダネ部隊」のチャールス・マグロウ、 「悪人への貢物」のロイアル・ダノである。早射ち自慢のカウボーイには、TV出身の新人の ジョン・カサペッツが扮している。
 コロラド州、カノン・シティに撮影本部を置き、チャーターした飛行機1機、24台の重トラック。 8馬力のトレーラー・トラック。衣裳室を持つ12台の特製バスに、移動用発電機をくり出して、M・G・M 自慢の動くスタジオが十分に活用された。
 歌う女優、ジュリー・ロンドンが、この映画でも主題歌「サドル・ザ・ウインド」を歌っている。 作詞、作曲は「腰抜け二挺拳銃」「別働隊」「知りすぎていた男」の主題歌で 3度オスカー受賞のジェイ・リヴィングストンとレイ・エヴァンスである。西部物の作家 トーマス・トムプソンのオリジナル・ストーリーをテレビ・ドラマ作家のロッド・シーリングが脚色した。
 監督は「海のあらくれ」のロバート・パリッシュ。 製作は「緑の火−エメラルド」のアーマンド・ドイッチェである。

 <物語>  西部が未だ無法状態であった頃、永い間カイオワ渓谷開放牧地は "決斗なき土地" として知られていた。
 或る日、1人の渡り者が、此の部落に現れた。彼はスティーブ・シンクレアを捜して来たのだ。 男はラリイ・べナプルといった。
 その頃、そのスティーブ・シンクレアは、谷の農場にいた。今こそこの谷で立派な牧場を経営していたが、 嘗っては風に鞍おいて、西部の無法地帯を渡り歩いた、拳銃渡世の旅がらすであった。
 その彼にとって困った事態が起っていた。それは牛を売りに街へ出た弟のトニイが、 新しい拳銃と女、ジョーン・ブレークを連れて牧場に帰って来たことだ。美しい女だが ステイーブからみれば、一目でそれと分る女だった。彼女をトニイは馬車から降りるなり、 誇らしげに婚約したんだと、スティーブに紹介した。
 心配というのは、スティーブ自身の放浪生活から、この無鉄砲なトニイが拳銃を持つと、 必ず使ってみたくなるに違いないと思っていた。それにこの谷の長老格のデニーン老も、 黙ってはいないだろうという心配もあった。
 デニーン老はこの谷を開拓した功労者で、スティーブもデニーンの世話で、立派な牧場主になれたのだった。 デニーン自身の息子が拳銃で殺されてからは、特にデニーンは率先して、この谷から暴力を追放しょうと努めてきた。 事実その甲斐あって、法律のないと同様の西部の中で銃なき土地≠ニも云われてきた。
 また、過去を持つ女ジョーンの出現は、スティーブにとって不安以外何ものでもない。 その上、トニイにとっても、結婚とか、家庭生活などまだ重すぎるのだ。
 そういうスティーブの心配をよそに、トニイはところかまわず、早射ちの練習をはじめていた。 早射ちだけは兄貴のスティーブも敵わない実力を持っていた。その間じゅう、スティーブは始めて ジョーンと2人きりになったが、実際話してみると、心も正しい女なのでかえって安心するようになった。
 果してトニイが事件を起した。・・・  (84分)

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