リオ・ブラボー

<Rio Bravo>   (59年)

<スタッフ>
制作・監督
原作・脚色

撮影
音楽
歌詞

<キャスト>
ジョン・チャンス
  デュード
  コロラド
  スタンピイ
  パット・ホイラー
  フェザース
 

ハワード・ホークス
ジュールス・ファースマン
リー・ブラケット
ラッセル・ハーラン
ディミトリイ・ティオムキン
ポール・フランシス・ウェブスター


ジョン・ウェイン
ディーン・マーチン
リッキイ・ネルソン
ウォルター・ブレナン
ワード・ボンド
アンジイ・ディッキンソン
 「リオ・ブラボー」はジョン・ウエイン、ディーン・マーチン、リッキイ・ネルソン、 ウォルター・ブレナン、ワード・ポンドの5大スタアが共演する西部劇超巨篇。
 製作・監督は「ピラミッド」の名匠ハワード・ホークス、4年ぶりである。 原作・脚色はアカデミー賞受賞者の べテラン、ジュールス・ファースマンとリー・ブラケットの2人。 撮影は「赤い河」のラッセル・ハーラン、音楽はアカデミー賞3度受賞のディミトリイ・ティオムキンが担当。
 ジョン・ウエインにとって、「リオ・ブラボー」は、「駅馬車」「赤い河」「ホンドー」そして 「捜索者」などからの必然的な脱皮であり進歩である。彼がこの映画で扮する意志が強く しかも人間的な保安官ジョン・チャンスは、彼が長い年月トップ・スタアとしての地位を守ってきた 魅力を再び証明することに充分である。
 またウェインとハワード・ホークスとの取組みは、10年前に彼の西部劇スターとしての 地位を不動にした「赤い河」以来である。
 この「リオ・ブラボー」の配役にはフアンの意表をついたものが二つあった。
 その一つディーン・マーチンを保安官補のデュードに抜てきしたことである。 この役は彼の旧友ジョソ・ウェインを救うために、2年間飲み続けた酒の酔いをさまして駆けつけるというもので、 殆んどコメディ専門だったマーチンが選ばれたことは意外だった。 しかしホークス監督のこの選考は賢明だった。レコード界のスター、マーチンの映画歴は 「若き獅子たち」「走りくる人々」を除いて、他のすべてはジェリー・ルイスとの共演であった。 この「リオ・ブラボー」によつて彼のドラマティック・スターとしての地位が保証されにわけである。
 意表をついた配役のもう一つは、18才のリッキイ・ネルソンが、窮地に陥ったジョン・ウェインを助けるために 不意に現われる拳銃使いコロラドに選ばれたこと。最近では彼が吹込んだロックンロールの レコードによって、一躍レコード界の寵児となっていることば衆知の通り。
 びっこで気まぐれな、しかし愛すペき保安官補スタンピイに扮するウォルター・プレナンは、 22年前にアカデミー賞を 獲得したのをはじめに3度受賞している。ワード・ボンドと言えばジョン・ウェインの映画にはなくてならない程の 役者である。この映画でもウェインを助けるために、かえって死を招く馬車隊長の役に選ばれた。
 男心をそそる過去をもつ女フェザースに扮するアンジイ・デイッキンソンは、新しい型のグラマーとして スクリーンに登場するニュー・フェイス。 ジョン・ラッセルは最近ワーナーと長期契約をしたユニークなマスクの持主である。
 <梗概>  メキシコとの国境に近いテキサスの町リオ・ブラボーの保安官ジョン・チャンスは、丸腰の弟を殺した 残忍なジョー・バーデットを逮捕したが、その為に却つて窮地に追い込まれた。ジョーの兄ネーサン・バーデットは、 この地方切っての努力家で、彼は部下に町を封鎖させ、この為にチャンスは犯人をよそに連れ出す事も、 加勢をよそから呼ぷ事もできなくなった。
 バーデッドに雇われた殺し屋たちが町に潜入し、チャンスの一挙一動を見守り、命令一下、 彼を倒そうと待構えていた。
 こうした時にあってチャンスの味方といえば、老人で身体の不自由なスタンピイと、 新しく助手になったデュードだけで、このデュードは、前にも助手だったし、名うでの早射ちだったが、 酒好きでしくじり、今や2年にわたる酒びたりの生活を清算して、親友チャンスを助けようと、必死の 努力をしていた。
 バーデッドに町を封鎖された、為に若い美人のフェザースも駅馬車で町を出る事ができず、 専らホテル・カシノでばくちをして時間を潰していた。また、チャンスの親友パット・ホイラーも、 燃料やダイナマイトを輸送する馬車隊を出す事ができず、護衛のコロラドと共に立往生していた。 このコロラドは腰の二挺拳銃にも似合わぬ、物やわらかな若者だった。
 チャンスは、フェザースがインチキ賭博の共犯であるとの通報を受けていたので、 ホテルでカードをやっている彼女を見ていたが、ここでも、インチキをやったと言って責めた。 フェザースは言葉も荒く、インチキをした事は絶対にないと言い張った。それを静かに見ていたコロラドは、 インチキの張本人は別の男だと見破っていた。彼の言葉でフェザースは逮捕をまぬかれた。 派手な羽根飾りをつけたフェザースの、男を男とも思わぬ態度に、チャンスは面白くなかったが、 その美しさは心に残った。
 バーデッドが雇った殺し屋たちの、最初の犠牲者はパット・ホイラーだった。彼はひそかに町の 人々にチャンスの味方をしろと説いて歩き、遂に背後から射たれたのだ。チャンスとデュードは 犯人を追つて酒場へ行き、そこでバーデッドの廻し者8人の武装を解除した。パットを殺した男は、 2階からチャンスたちを射とうとして、逆にデュードに射たれた。
 その晩、ホテルで、フェザースはチャンスに、昼間の不遜な態度を詫びた。インチキ賭博の共犯 という疑いは、彼女がそれとは知らずに結婚した男が、いかさま師で、遂にその男は、それがバレて射殺されたのだ。 ・・・
     (135分)

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