誇り高き反逆者

<The Proud Rebel>   (58年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚色

撮影
音楽

<キャスト>
ジョン・チャンドラー
リネット・ムーア
アィビッド・チャンドラト
ハリー・・パーリー
ユノス・アイビス
ジェプ・バーリー
トム・バーリー
モーリー判事
馬車の男

サミュエル・ゴールドウイン・Jr
マイケル・カーティス
ジェイムズ・エドワード・グラント
リリー・ヘイワード
ジョーゼフ・ペトラッカ
テッド・マッコード
ジェローム・モロス


アラン・ラッド
オリビア・デ・ハビランド
ディピッド・ラッド
ディーン・ジャガー
セシル・ケラウエイ
ディーン・スタントン
トーマス・ピッツマン
ヘンリー・ハル
ジョン・キャラディン
 「誇り高き反逆者」は、大製作者サミュエル・ゴールドウインが1度は自らの手で製作しようとしたものであったが、 10年もの間、彼の息子がこの映画化を企てていたことを知り、その熱意に負けて、 製作を断念したという曰くつきの作品である。
 ゴールドウイン親子がかくもほれこんだこの映画の原作は、荒野の涯にようやく掴んだ一かけらの倖せを 腰の拳銃一つにかけてまもり抜こうとする、さすらいの男の意地と哀愁を、暖かく、 そして詩情豊かに描きあげたジェイムズ・エドワード・グラントのベストセラー小説であった。
 若き製作者ゴールドウイン・ジュニアは、スタッフにも最高の人材を集め、 この作品に対する彼の意欲が並々でない所を見せた。まず、脚本をジョーゼフ・ベトラッカと リリー・ヘイワードが共同で書き、監督には、「決断」などに見られるように、 最近はドラマに心理的な描写を盛んに追求しているマイケル・カーティスがあたった。 音楽は「大いなる西部」で名をあげたジェローム・モロス。撮影は「エデンの東」のテッド・マッコードが担当し、 風光明媚なユタの高原にロケを行って見事な効果をあげている。
 主演は、「シェーン」の荒野に再び帰って颯爽の拳銃捌きを見せるアラン・ラッドに、 久方ぶりのオリビア・デ・ハビランドという異色顔合せを初め、ゴールドウィン・ジュニアが 特に懇望して出演させたラッドの実子、ディビッド・ラッドが、ラッドの息子の役を好演し、 父と共にしみじみとした親子の愛情をかもし出し、そしてクライマックスの凄烈な決斗を盛り上げている。
 共演は、「尼僧物語」のディーン・ジャガー、「シャギー・ドッグ」のセシル・ケラウェイ、 ゴールドウイン・ジュニアの前作「街中の拳銃に狙われる男」に出演しているヘンリー・ハルと ジェイムズ・ウェスターフイールド、「最後の歓呼」のジョン・キャラディン等。
 <梗概>  南北戦争直後のこと。アトランタの戦いで家を焼かれ、最愛の妻を亡くし、 一瞬の中にすべてを失ったジョン・チャンドラーは、その時のショックで口がきけなくなった 一人息子のディビッドを連れて傷心の南部の町を離れ、北へ北へと医者を求めて さすらいの旅を続けていた。
 ジョンとディビッドは一頭の馬に一諸に乗り、犬のランスがそれに従っていた。 淋しいディビッドにとっては、このランスだけが唯一の遊び相手なのである。
 イリノイ州のアピディーンに来た2人は、その町の医者ディビスを訪ね診察を受けた。 ディビスは「私には駄目だが……ミネソタに行って手術を受ければ或いは治るかも知れない」といった。
 ジョンはディビッドをミネソタに連れていくことに決め、今迄大切に持ち歩いていた 銀のろうそく台を売って旅費を作ることにした。ジョンが店に入って値段を交渉していると、 急に表が騒がしくなった。夥しい数の羊の群が町の中に入って来てそのまま動かなくなってしまったのである。 その時、群に向ってランスが矢のようにとんで行き、群の前を敏捷に動きまわって、 とうとう羊の群を町の外に押し出してしまった。羊を追って町に来た牧童のジェブとトムは、 ランスの活躍を見て急にこの犬が欲しくなり、ランスの首に縄をかけて連れて行こうとした。 ランスの鳴声を聞いてかけつけたジョンは、2人を相手に、ほこりだらけの道路の上で殴り合いを始めた。 しかし、ジョンはそこへやって来た彼等の父親ハリー・バーリーのために、背後から拳銃で殴り倒され、 あげくの果てに暴行罪として保安官に捕まり30ドルの罰金を云い渡されてしまった。
 困惑し切ったジョンに代って、罰金を支払ったのは、裁判をずっと見ていた美しいリネットだった。 たった1人で大きな農場を経営Lているリネットは、毎日のようにバーリー一味の横暴によって 悩まされていた・・・  (106分)

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