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死の砦＜Fort Dobbs＞ （58年） |
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＜スタッフ＞ 製作 監督 脚本 撮影 美術 音楽 ＜キャスト＞ ガー・デビス セリア・グレイ クレット チャッド・グレイ |
マーティン・ラッキン ゴードン・ダグラス バート・ケネディ ジョージ・Ｗ・ジョージ ウィリアム・Ｈ・クローシア スタンリー・フライシャー マックス・スタイナー クリント・ウォーカー ヴァージニア・メイヨ ブライアン・キース リチャード・アイアー |
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「死の砦」はテレビの発達に抗して、映画発展に躍如たるワーナー・ブラザース映画が、新鮮なか企画と、意欲
をもって製作した新しい型の西部劇である。そして、主役には現時代に即応したスーパー・スタア、クリント・
ウォーカーが選出された。
彼は既にお馴染みの〝シャイアン・シリーズ" で大評判をとった俳優で、現今のスタアにはないニューアンスを
持合わせた、これからの新しいウエスタンのヒーローである。彼の相手役を演じるのは、「大荒原」で
あでやかなところを見せ、益々円熟味を増したヴァージニア・メイヨ。そしてこの２人を助けて、
「ミスタア・ロバーツ」の名優ブライアン・キース、「友情ある説得」に好技を残した名子役リチャード・アイアー、
ベテランのラス・コンウェイ等が出色の演技を見せている。
製作は〝ハリウッドの巨砲″と異名をとる「追憶」「特攻決死隊」のマーチン・ラッキン。 脚本家グループで名を知られるパート・ケネディ、「ジェイムス・ディーン物語」のジョージ・W・ジョージの 才匠二２人が書下した脚本を、「大荒原」を手がけたアクション・ドラマの巨匠ゴードン・ダグラスが監督、 鋭角的手法で知られる「特攻決死隊」「Ｂ52爆撃隊」の俊腕ウイリアム・クローセアが撮影を受持った。 美術監督のスタンリイ・フレイシャー、編集のクラレンス・コルスター、音響のフランシス・E・スタールは 共に「暴力部落の対決」で協力したベテラン揃いで、３個のアカデミー賞受賞者である。 「特攻決死隊」のマックス・スタイナーの名旋律と共に、この映画の活力の原動力をなしている。 ロケ地は風光明眉なユタ州南西部が選ばれ、同州のカナプに本部を置いて延々6千マイルを踏破、 灼熱下で撮影が強行された。又この映画のやま場となっているインデアン襲撃の場面は、かつての古戦場カナブ砦が利用されている。 |
<物語>
見るから精悍で野性的なこの男ガー・デビスは、殺人犯の名を着せられて保安官の一隊に追われていた。
鞭も折れよと駒を進めるのだが、逮捕の一隊は執拗に食い下ってくる。数刻の追跡行に精魂尽き果てたデビスは
既に兇悪なインデアン、コマンチ族の居住地域に足を踏み入れていた。
乗馬を乗り潰し焦るデビスの眼に、 不図背にコマンチの矢を受けて斃れている男が眼に映った。窮余の策が一瞬彼の脳裏にひらめいた。 すばやく例の男の衣服と自己の服を取換えると、矢を元通りに制して死体を谷間へ押し転がした。 やがて現場に馬を飛ばして来た保安官等は、この惨事の様を見て既に深追いの必要がなくなった事を悟り 馬首をひるがえして去った。 デビスの思う壷だった。彼は九死に一生を得た。 その夜へとへとになり乍ら徒歩で山間の僻地を歩き続けるデビスは、谷間に小さな放牧場があるのを知った。溺れる者は．－t 溺れる者は――の譬の如く馬を盗もうと囲いの中に入った時、闇をぬって銃弾がデビスの頭をかすめ、 その急の衝撃に彼は失神して地面に伏せた。弾を見舞ったのは、この放牧場の女主人セリア・グレイ の一人息子だった。 翌朝、正気に復したデビスは、昨夜の一件を謝して改めて事情を説明し、馬を貸してくれる様に懇願した。 彼の卆直な態度はセリアの硬直した気持ちを和らげるに充分だったのだろう。 彼女は快く承知してくれた。デビスは何故この様な危険地帯に、それも、女子供で暮らさねばならぬのかと問うと、 彼女は夫のラーゴが帰ってくる迄はと答えた。 セリアの日和見な言葉を反駁してデビスはいった。 「凶悪なコマンチは何時この牧場を襲ってくるかも知れぬ。安全なドップスの砦に避難するのが最善の術だ」 しかしセリアはがんとしてきかなかった。 ・・・ （90分） |