大いなる西部

<The Big Country>  (58年)

<スタッフ>
製作

 監督
原作
 脚色


撮影
美術
音楽
編集


<キャスト>
ジェームス・マッケィ
ジュリー・マラゴン
パトリシア・テリル
スティーヴ・リーチ
ルファス・ハナシー
ヘンリー・テリル少佐
ラモン
バック・ハナシー

ウイリアム・ワイラー
グレゴリー・ペック
ウイリアム・ワイラー
ドナルド・ハミルトン
ジェームス・R・ウェッブ
サイ・バーレット
ロバート・ワイルダー
フランツ・F・プレーナー
フランク・ホータリング
ジュローム・モロス
ロバート・ベルチャー
ジョン・フォーアー


グレゴリー・ペック
ジーン・シモンズ
キャロル・ベーカー
チャールトン・ヘストン
バール・アイヴス
チャールス・ビックフォード
アルフォンソ・ベドヤ
チャック・コナーズ
 テクニカラー・テクニラマの「大いなる西部」は、ハリウッドで製作された西部劇のうち でも、もっとも豪撃で、文字通りの "大いなる巨篇" である。
 雄大な規模と、斬新な内容に加えてこの作品はまた、実に豊富な話題を含 んでいるが、世界的な映画監督のランクに、長年月その巨歩を印している名匠ウイリアム・ワイラーが、 「西部の男」以来、実に18年ぶりに西部劇のメガホンをとったという事実が、その なかでも特筆大書されるべきビック・ニュースと云えよう。
 2時間45分を、150人のスタッフを駆使して、終始すばらしい感動と迫力で貫きとおす偉大な演出力 は、まことに驚嘆のほかはないのである。
 ついで大きな魅力は、そのキャストであろう。おそらくこれほど見事な顔ぶれを揃えた西部劇というものは、 これから先もそうたびたびは現れまいというのが大方の一致した意見である。
 すなわちワイラーとともに、共同製作者として名を連ねているグレゴリー・ペックをはじめとして、 「十戒」のチャールトン・ヘストン、「黒水仙」における異様な魅力で、妖精のごとく戦後の映画界に躍り出たジーン・シモン ズ、カザンの「ベビー・ドール」で、一躍多くのフアンを獲得したキャロル・ベーカー、 歌手としても著名だが、近年はとくに得難い性格俳優として大活躍のバール・アイヴス、永い歴史を誇 る名傍役チャールス・ビックフォード、元大リーグの野球選手という変った経歴の持ち主チャック・コナーズ、 それに馬丁に扮するメキシコの名優アルファンソ・ベドヤという配役の豪勢さは、興趣のうづくような 素晴らしさを誇っている。
 <物語>  1870年代のこと、灼けつくような陽射しに燃えるテキサス州サンラフアエルの町に、砂煙をあげて走りつい た1台の駅馬車から、1人の若い紳士が降り立った。彼の名はジェームス・マッケイと云いこの辺りの有力者テリ ル少佐の1人娘パットと結婚するためはるばる東部のパルチモアからやつて来たのだった。
 テリル家の使として出迎えた牧童頭のスチーヴ・リーチは、この身なり物腰ともいかにも東部者らしい客を、一 目で見くびったような態度だった。初めはスチーヴの敵意が納得の行かなかったジェームスにも、やがてその理由 が判つて来た。パットはもとスチーヴと恋仲だつたのを、スキャンダルを恐れた少佐の手でパルチモアの学校へ送 られ、そこでジェームスと知り合つたのである。
 スチーヴを先に帰して、途中まで出迎えたパットと共にパットの父の経営するラダー牧場へ向う途中、ジェーム スは酒に酔つたハナシー家の息子バックやその仲間から乱暴を受けた。激昂したパットほバックを射とうとしたが、 事件を単に西部らしい手荒な冗談くらいに受取ったジェームスは彼女を引とめ、応戦さえしなかったため、大いに テリル家の憤慨をかった。
 テリル少佐は「白い峡谷」の大地主ルファス・ハナシーと一帯の勢力を二分し、互に相反目する仲だった。その 2人が同様に目をつけているのが、水源を持つビッグ・マディだつた。その肥沃な土地は町の学校数師でパットの 親友でもあるジュリー・マラゴンの持地所だったが、2人のボスの一方が水源地を独占することになれば、必ず流 血の不祥事が起るに相違ないと・・・・   (165分)

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