赤い矢<Run of the Arrow> (57年) |
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<スタッフ> 製作・監督・脚本 撮影 音楽 編集 <キャスト> オミーラ スウ・インディアンの娘 モカシン 工兵隊長クラーク大尉 ドリスコル中尉 ブルー・バッファロー |
サミュエル・フラー ジョセフ・バイロック ヴィクター・ヤング ジーン・ファウラー・ジュニア ロッド・ステイガー サリタ・モンティール ブライアン・キース ラルフ・ミーカー チャールズ・ブロンソン |
歯切れの良いアクション映画を得意とするサミュエル・フラー(「拾った女」)が創設した独立プロ、
グローブ・エンタープライジス・プロの第1作として自ら製作・監督・原作・脚色した斬新な素材、
卓抜凄絶の演出の異色西部劇である。
南北戦L争終結後も北軍に降服するのを潔しとせぬ南軍の一兵士が 当時アメリカ軍と戦いを交えていたインディアンのスウ族に身を投じ スウ族とアメリカ軍の間にあって数奇な運命に翻弄させる物語で ユタ地方にロケを敢行しインディアン500余名をエキストラに動員 して完成した超大作。 主演は「オクラホマ!」「地獄の翼」のロッド・ステイガー、 「ヴュラクルス」でゲイリー・クーパーの相手役になったサリタ・モンティール、 「ジープの四人」のラルフ・ミーカー、舞台出身のブライアン・キース、 「太平洋作戦」 のジュイ・C・フリッペン、ハリィ・ケリイの未亡人オリーブ・ケリー等が競演している。 撮影はジョ・バイロック、音楽は「黒い牡牛」の故ヴィクター・ヤング。 RKO映画が自信満々放つ凄絶鮮烈の異色作品であり、この映画に登場するインディアンの 野性的な闘争と処刑には度胆ぬかれることであろう。 <物語> 1865年4月9日日曜日、ヴァージニア州のアッポマトックスに於て南北戦争 最後の一弾が発射された。第6ヴァージニア志願兵部隊狙撃隊の一等兵オミーラの 放った弾丸は北軍ドリスコル騎兵中尉の胸に命中 |
して落馬した。父や兄.弟を北軍
に必殺の弾心を浴びせていた。腕に自信のある彼は射殺したと思ったドリスコル中
尉にまだ息があるのを知ってがっかりした。腕が悪かったのではなく鉛弾がつぶれ
ていた為だと考えた
彼は虫の息の中尉を野戦病院に運び軍医に弾丸を抜き取っても
らったが果して彼の推測が正しかった。
南北戟争は南軍のリー将軍の降服に依って終りを告げた。故郷に帰ったオミーラ に友人達は研ぎ直した鉛弾を新しい薬莢につけ『南北戦争に於て最後に発射された 弾丸』と刻んで記念に贈った。彼は首に下げた袋に大切に納めた。北軍を極度に憎 悪する彼は悶々の情を抱いていたが遂に母の諌めをふり切って出奔した。未だに米 国に恭順を誓わぬ西部のスウ・インディアン地帯が彼の目指す土地だった。 西部の大荒野の真只中でオミーラは異様な人物に遭遇した。彼はウォーキング・ カヨテというスウ族の老人で米軍に偵察者として20年も加わっていたが余生を故 郷で送るべく旅をしている処だった。意気投合して旅を共にする間にカヨテはオミ ーラにスウ族の言葉、習慣、信号、道路等を教えこみ無二の親友になった。 スウ族地帯に入って間もな〈二人はクレイジイ・ウルフ(気違い狼)を首領にす るスウ・インディンアンの若い不良団に捕えられてしまった。「気違い狼」はスウ族 の酋長の命令を無視して白人を見れば片端から皆殺しにする乱暴者で2人はその場 で殺害されぬ代りに「矢走りの刑」に処せられることになった。・・・ (86分) |