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アラモ＜The Alamo＞ （60年） |
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＜スタッフ＞ 製作・監督 友情監修 音楽作曲・指揮 歌詞 ＜キャスト＞ デイヴィ・クロケット ジム・ボウイ ウィリアム・バレット・トラヴィス サム・ヒューストン スミティ |
ジョン・ウェイン ジョン・フォード ディミトリ・ティオムキン ポール・フランシス・ウェブスター ジョン・ウェイン リチャード・ウィドマーク ローレンス・ハーヴェイ リチャード・ブーン フランキー・アヴァロン |
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| <ジョン・ウェイン>
ジョン・ウェインは、此の仲々厄介な、製作並に監督、
それにアラモのスターの役の一つも演ずると言う、三つの責任ある務めには、
当然よく考えた上で跳び込んでいったのだった。此の様に種々と多くの事を強いられる
三つの仕事を取扱う折の困難さに就いてインタヴューを受けた時、彼は、
「此の様な大きな夢を成しとげるのは創造力もあり技術的才能もある献身的な人々の
チーム・ワークのみです。」と述べている。ジョン・ウェインばかりでなく、彼のスタッフ全員が
「アラモ・死の砦」は、単にその物語の再映画化というものではなくて、世の人々に
どうしても語り知らされなくてはならないものと思うようになっていたのだった。
ウェインにとっては、此の「アラモ」の製作は30年に亙って築きあげて来た 彼の映画経歴でのクライマックスであったのだ。そしてもし今彼の誇りとしている スタッフの一員に此の映画について訊ねるならばその答は「当然容易ではないとはわかっていました。」と言うであろう。 確かにつらい、厳しい仕事だった。92日間もの日夜を分たぬ、どんな荒天侯をもついての撮影は 忍耐と根気の試練だった。しかし自己献身の試練ではあったが、それは、ハジャック・プロダクションの 人々にとっては輝かしき勝利でもあった。 <アラモの戦い> 〝自由″それは我々人類がつねに人種の差・主義・信条に関係なく求めて努力して来た大きな目標だった。 そしてその自由を求めての道の途中にあった一里塚とも考えられる大きな出来事の一つに〝アラモ砦″の事件があった。 この映画ほその〝アラモ″砦の物語である。 アラモは最初、今はテキサス州のサン・アントニオ市となっている所にあったフランシスコ派の伝道所で、 それが後世史上誰知らぬ者もない劇的な役割を果たすよう宿命づけられたときは、もう崩れ落ち、朽ちはて、 ついに見捨てられてしまっていた。そしてそれが果したもう一つの役目と云うのは、戦いの場〝砦″としてであったのだ。 アラモの戦いは1836年2月23日始まり、13日後の3月6日その終末をみた。その間185人の勇士達―― すべて |
彼等は世界中の各地から集った義勇兵であった――は、当時最新式の武器で装備した７千人もの歴戦の正規兵という
圧倒的多数の敵を相手に、挙って立向ったのである。その敵というのは〝情容赦はしない″と言いきった
メキシコの独裁者サンタ・アナの下に率いられる遠征軍で、あえてサンタ・アナに反抗するサソ・アントニオの
〝思いあがり者達″の頭上に独裁制の鉄の如き足跡をしるそうと1500マイル近くもの山野を殺戮の旅を続けて来たものだった。
恐らく生きて再び会えまいという事は充分知っていた上で妻子や恋人と別れを告げた市民兵達は、 ウィリアム・パレット・トラゲィス大佐、ジェイムズ・ボウイ大佐、それにディヴィ・クロケット大佐の指揮のもとに アラモの砦に集結したのだった。 此の映画は不眠と疲労困廃と戦った上、一発の弾薬も無くなるまでに戦った苦悶の13日の日々のはてに、 殺到する多数の敵の蹂躙を受け遂には最後の一人も残さず全滅していった、彼等アラモの義勇兵の 雄々しい勇ましく伝記である。それまで生き残った守備隊の人々がナイフ、剱、銃の台尻 それにしまいには拳まで使って戦はねばならぬまでに押し寄せられた最後の段階は、それまでに自由の名のもとに 戦われたどれよりも最も血みどろの、文字通りつかみ合いの格闘だった。敵味方ともたがいに屠りつくさねばやまないという 激しい怒りと、断じて譲らぬという強い勇気をもって戦ったのだった。 このアラモ砦の守りは自分の生命は捨てても、その持場を捨てた者は誰一人としてないという、 まさに英雄的なものだった。しかも彼等の烈しい射撃手魂は攻撃軍に驚くほどの損害を負わせ、包囲攻撃の終ったあとには 1700ものメキシコ軍の精鋭の死骸が横たわっていたのだった。 〝アラモを忘れるな〟この叫びはここから生まれたもので、テキサス人にとってアラモほその州の犯すべからざる 〝自由の聖地″となっているのであり、又自由な国々のあらゆる人々にとっては、 アラモは世の人々がまともに生きてゆけるようにする為にすすんで死をもいとはないと云う人々のシンボルとして 永くその胸に留っているのである。 （202分） |