決断の3時10分

<3:10 to Yuma>  (57年)

<スタッフ>
製作
 監督
原作
 脚色
音楽
主題歌
撮影
編集

<キャスト>
ベン・ウェード
ダン・エヴァンス
エミイ
アリス・エヴァンス
アレックス・ポッター

デヴィッド・ヘイルウェイル
デルマー・デイヴィス
エルモア・レナード
ハルステッド・ウェルズ
ジョージ・ダニング
フランキー・レイン『3:10 to Yuma』
チャールズ・ロートン・Jr
アル・クラーク


グレン・フォード
ヴァン・ヘフリン
フェリシア・ファ
レオラ・ダーナ
ヘンリイ・ジョーンズ
 二枚目スタアとして確固たる人気を誇るグレン・フォードが、珍しくも冷血無比の悪漢に扮して大暴れするという 西部劇大作。
 旱魃に悩む牧場主が、駅馬車強盗の首領を護送する過程を描くものであるが、 首領を奪い返さんとする子分一味と、単身、死を賭して護送に当る牧場主との争闘が空前のサスペンスを盛って描かれる。
 エルモア・レオナードの原作を・ハルステッド・ウエルスが脚色、「襲われた幌馬車」 「去りゆく男」のデルマァ・デイヴスが監督に当っているが、緊迫して雰囲気のなかに詩情もただよわせ、 快調の演出をみせている。撮影は「夜の乗合自動車」のチャールス・ロートン・ジュニア、 作曲は「ピクニック」のジョージ・ダニングがそれぞれ担当、フランキー・レーンのうたう 主題歌が随所に挿入されて効果をあげている。
 主演は「八月十五夜の茶屋」のグレン・フォードが新生面をみせているのをはじめとして 「愛欲と戦場」のヴァン・へフリン、「襲われた幌馬車」のフェリシア・ファがそれぞれ柄にはまった 役どころで好演している。


 <物語>  広々としたアリゾナ荒原、その小高い丘には、12人の牧童たちにかこまれた家畜の一群が見られる。 西部なら何処ででも見当たる風景である。だがよく見ればやせた家畜は、このあたり一帯の旱魃を 物語っているようだ。
 その家畜の群からちょっと離れたところに、1人の男が馬に乗り、何を考えているのか、 じっと一ヶ所を見つめている。ただの牧童とは思えぬような険のある顔付。ベン・ウェードと呼ばれる 男である。
 ウエードは、はるか彼方に砂煙があがるのを見るや、ただちに牧童たちに命じ、 家畜の群を走らせた。駅馬車がビスビィに向って走ってきたのであるが、その道は家畜のためにふさがれた。 もうもうたる砂煙りのなかで駅馬車は急停車した。 その瞬間、ウェードをはじめとする12人の男の手には拳銃が握られていた。
 彼等は牧童ではなく駅馬車を襲う凶悪一味であったのだ。駅馬車の会社を経営している バターフィールドが乗り合せていたが、ウェードは、このバターフィールドに俺は金がほしいだけだと言い放った。
 しかしその直後、馬車の馭者がウェードの部下の一人に拳銃を突きつけ、近寄ればこの男を殺すと言った時、 ウェードは顔色ひとつ変えず、まず部下を射殺し、さらに息つく間もなく馭者を殺した。
 この光景をいくちか離れた場所から見つめている3人連れがあった。貧乏な牧場主ダン・エヴァンスと2人の子供である。 ウェードはこのダンの牧場の家畜をつかって駅馬車をとめたのだ。2人の子供は、 父親が悪漢一味の所業をただ呆然と見つめるだけで、襲われた人たちを助けようともLない態度にぴどく不満だった。 もちろんダンは、ウェードの冷血のやり方に腹を立ててはいたか、抵抗しても所詮無駄なことだと考えでいたのである。 ウェードは駅馬車の馬をはずし、ダンの馬をも奪い、ビスビィに向かって走り去っていった。
 家に帰ったダンは、妻のアリスに、この一件を語ったが、アリスも子供たちと同じように、 ダンが巧妙に悪漢を退散させることの出来なかったことに不満を抱いた。 しかし、この一家にとっては、もっと切実な問題が目前にひかえていた。 それは早魅のため、大事な家畜が死にひんしているのだ。 ・・・(92分)

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