最前線

<Men in War>   (57年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚色
撮影
美術
音楽
編集

<キャスト>
ペンスン中尉
モンタナ軍曹
大佐
リオーダン
スウイックリイ

シドニー.ハーモン
アンソニイ・マン
ヴァン・ヴァン・プラアグの「戦斗」より
フィリップ・ヨーダン
アーネスト・ハラー
フランク・ロラス
エルマー・バーンスタイン
リチャード・C・メイヤー


ロバート・ライアン
アルド・レイ
ロバート・キース
フィリップ・パイン
ヴィック・モロー
 此の作品はアメリカの一流交芸誌サタデイ・リヴュー″の 1950年号で有望なる12人の新人の1人に選ばれている作家ヴァン・ヴァン・プラーグの 小説Combat" から「探偵物語」「ララミーから来た男」「殴られる男」などの フィリップ・ヨーダンが脚色し、西部劇や音楽映画で、近来頓にその手腕を高く評価されている 俊鋭、アンソニイ・マンが監督に当った戦争映画で、最前線に孤立し、転進を余儀なくされた 一小隊の、息詰まるようなシチュエーションの中で、対立する将校と下士官の 階級組織からくる責任" と云う内在的な緊張を追究しながら、 朝鮮戦線の特殊な戦斗形態を、凄まじいまでの迫力で描いた、近来の異色作である。
 音楽は「黄金の腕」でその手腕を高く評価されている気鋭の新人エルマー・バーンスタイン、 撮影は「理由なき反抗」のヴェテラン、アーネスト・ホラー。
 歴戦の勇士で、不利な戦局を知悉しながら、如何したら部下を安全に撤退させる事が出来るか と云う事に、神経を挫く中尉に、ロバート・ライアンが、ずばり適役として登場する。 彼の主な出演作は「罠」「荒野の三悪人」「日本人の勲章」「竹の家」「たくましき男たち」 「誇り高き男」「地獄の翼」等。
 今や、異色作にはなくてはならぬ貴重な個性〃をもつ、有名な嗄がれ声のスター、 アルド・レイ、砲弾によるショック症にかゝって、遂に最後まで、「ウイ・ハブ・・」「サン!」 と二言しか台詞を饒舌らないと云う、特異な老大佐に扮するのがロバート・キースである。

 <梗概>  1950年12月――朝鮮戦線。怒涛の如く押寄せる北鮮軍のために米軍は釜山へ、釜山へと 後退を続けていた。
 ナコトン河近くの最前線にいた、マーク・ペンスン中尉指揮下の歩兵小隊は、 北鮮軍に包囲されて本隊との連結を絶たれ、15哩南方の465高地に向けて後退を開始した。 暁の脱出――黒人のキリアン軍曹がペンスンに、敵の榴弾で、武器輸送車が破壊したことを報告した。 ペンスンはデヴイス軍曹に命じて、兵隊たちに武器弾丸を携帯させ壊れた車を爆破した。 重い荷物に喘ぎ
ながら、小隊は動き始めた。
 第二次大戦の勇士ペンスンは、米軍の主力が全面的に撤退中なるを知っていたが、 そのことを部下には隠していた。そして輸送車を失ってしまったことで、 高地に到達するまでの危険な時間″が長びいたことを、心中でひそかに恐れていた。
 途中、ペンスンは広い野原を遮二無二につっ走って来るジープを見つけ、 そのジープを借りて重い荷物を運ぼうと考えた。しかしジープが停る様子を見せないので、 彼は行手を遮って銃を構えた。乗っていたのは本部のモンタナ軍曹と、 毛布にすっかり包まれた大佐だった。
 ペンスンは大佐に挨拶し、情況を説明すると共にジープを貸してくれと頼んだ。 大佐はうつろな目でペンスンを見るだけで、何も云おうとしなかった。 大佐が一種のショック症にかゝつている事はすぐ誰の目にも読みとれた。 モンタナはペンスンを無視してジープを走らせようとしたが、ペンスンはそんなことに頓着なく、 無理にモンタナをジープから引ずり降ろした。モンタナは彼の部隊が、ナコトン河近くで潰滅し、 彼と部隊長の大佐は釜山へ向うところだと説明した。ペンスンが大佐の毛布を引きはがすと、 大佐の体は座席に押さへつけられ、厳重にくゝりつけられていた。落ちるのを 防ぐためだ、とモンタナが説明した。
  しかしペンスンは無言で、ジープに銃器弾丸を積み込ませ、リオーダン伍長に運転を命じた。 その時、敵狙撃兵の弾丸が携帯電話を打ち壊した。忽ちモンタナがその狙撃兵を探し出して殺した。 捕虜にして情報を得ようと思っていたベンスンは彼の行為を怒った。
 モンタナは、狙撃兵は2人1組だから、もう1人近くに残っている、と云った。 ペンスンはリオーダンに命じ、他の敵兵をおびき寄せようとし、更に小隊を見通しのよい位置に置いた。 しかし次の狙撃兵を見つけたのもモンタナで、今度もアツと云う間もなく無抵抗の北鮮兵を殺してしまった。 ペンスンは又も激怒したが、北鮮兵の鉄帽の下に隠された拳銃を見せつけられ、 モンタナを見直しかけた。・・・    (100分)

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