脱走特急

<Von Ryan's Express>   (65年)

<スタッフ>
製作
監督
脚本

撮影
美術

音楽

<キャスト>
ジョセフ・L・ライアン大佐
エリック・フィンチャム少佐
ガブリエラ
ボスチック軍曹
オリアニ大尉
オード軍曹
コスタンツォー大尉

ソール・デビット
マーク・ロブソン
ウェデル・メイス
ジョセフ・ランドン
ウイリアム・H・ダニエルス
ジャック・マーチン・スミス
ヒルヤード・ブラウン
ジェリー・ゴールドスミス


フランク・シナトラ
トレバー・ハワード
ラファエラ・カラ
ブラッド・デクスター
セルジオ・ファントニ
ジョン・レイトン
エドワード・マルヘア
 この映画の製作が20世紀フォックス社から発表され、主演のフランク・シナトラとトレバー・ハワードの相手役に イタリー女優の共演が決まったというニュースが流れた時、ローマ中の若い女優たちは、 その幸運な女性はいったい誰なんだろう?と、はちの巣をつついたような騒ぎようだった。
 えらばれたその女性とは、ソフィア・ローレンとオードリイ・ヘップバーンをミックスしたような魅力をたたえた、 21才のラファエラ・カラだった。この映画で、彼女ははじめてアメリカ映画に出演したわけだが、 イギリス、イタリー、ドイツと、国際色ゆたかな出演男優にまじって紅一点、すばらしい演技を披露したのだった。
 まだとても若いラファエラだが、映画はすでにこれまでに10本の作品に出演しており、 そのいずれもがヨーロッパ映画で、マルチェロ・マストロヤンニ、バレンチナ・コルチーズなどと共演したのだった。 訪れたロケ地もさまざまで、イタリーの各地、フランス、カナリー島、ユーゴースラヴィアなどをまわっている。
 この映画の監督であるマーク・ロブソンは、ローマのあるホテルで、偶然テレビのスイッチをひねったところ、 ちょうどラファエラが出演している“llparoliere”をやっていた。なにげなく目をやったロブソンは、 ラファエラがすっかり気に入り、さっそくこの映画のオーディションのために、彼女を呼んだのだった。 むろん、ほかの200人ばかりのイタリー女優も含めてである。2週間後、厳正な選考ののち、 ラファエラはみごと金的を射とめたのだった
 ディヴィッド・ウェストハイマーの小説「フォン・ライアン特急」を、 「或る殺人」のウェンデル・メイスと「リオ・コンチョス」のジョセフ・ランドンが共同で脚色、 撮影は「逆転」のウィリアム・ダニエルス、音楽は「不時着」のジェリー・ゴールドスミスが担当した。

 <梗概>  1943年……。
 陸軍航空隊のジョセフ・ライアン大佐は、イタリーの上空で撃墜され、捕虜収容所に送りこまれた。 収容所には、トプルクで捕虜となった英国軍の歩兵が、すでに収
容されていた。指導者格の男は、 エリック・フィンチャム小佐だった。
 フィンチャムを中心とする英国兵捕虜は、長い収容所生活と欲求不満で、すっかり精神がすさんでいた。 だが、ライアンは、捕虜としてきびしく自分を律した。やがて連合軍が自分を救ってくれる時がくることを知っていたからである。 だから、収容所を管理するオリアニ大尉に対しても積極的に協力した。
 ライアンがこんな態度をとったため、英国人捕虜たちはライアンのことを、ドイツ流に“フォン・ライアン”と呼ぶようになった。 知らず知らずのうちに、ライアンは同じ捕虜仲間から白眼視されるようになっていった。
 イタリーが降伏し、オリアニ大尉はドイツ軍の命令をうけて、捕虜を貨車に乗せオーストリアに送ることになった。 この計画を耳にしたライランは、やっと、待ちに待った時がやってきたのを知った。
 列車は捕虜をいっぱい乗せて、北部に向かって走りつづけた。ライアンは、列車を占領し、 スイス国境に逃亡する計画を練った。フィンチャムらの協力を得てライアンはたちまちドイツ軍護送兵を仆してしまった。
 列車の指揮官、フォン・クメント少佐も、その愛人のイタリア女、ガブリエラとともに、捉えられた。
 今や、フォン・ライアンに指揮される列車は、ナチ管轄下のイタリー国内を、 400マイルにわたって横断しなければならなかった。ライアンとフィンチャムはナチ将校の扮装をし、列車を走らせた。 やがてライアンは、ドイツ軍用列車が、ライアンの列車の後方10分のところに追っていることを知った。 だが、数しれない危険と冒険をぷじ乗りこえたあと、やっとライアンの列車はスイス国境のすぐ手前までやってきた。 しかし、国境ではドイツ軍が手ぐすねひいて、ライアンらの列車を待ち伏せしていた。
 空からはドイツ軍戦斗機の機銃掃射、地上ではドイツ軍の猛烈な砲火の前に、 ライアン、フィンチャム以下の捕虜たちは、“自由”を賭けて最後の突破作戦に出ることになった。 ・・・   (117分)

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