特攻決死隊<Darby's Rangers> (58年) |
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<スタッフ> 製作 監督 原案 脚色 撮影 音楽 <キャスト> ダービー少佐 アンジェリナ・デ・ロッタ ローゼン曹長 デットマン中尉 ペギイ・マクタビッシュ マクタビッシュ軍曹 |
マーティン・ラッキン ウィリアム・A・ウェルマン ジェームズ・アルテリィ ガイ・トロスパー ウィリアム・クローシア マックス・スタイナー ジェームス・ガーナー エチカ・シューロー ジャック・ウォーデン エドワード・バーンズ ベネチア・スティーブンソン トリン・サッチャー |
戦争映画の製作にかけては、この人の右に出る者はないといわれる名匠ウイリアム・A・ウエル
マン監督が、1949年に放つた不朽の名作「戦場」の感激も新たに、勇猛果敢な戦闘シーンを再現し
てみせた異色大作。 題名が示す如くこれは米陸軍史上に光輝ある頁を残した、アメリカの特攻隊の活躍を描写したも ので、日本の特攻隊とはおのずから性質は異なるが、その何ものも辞さぬ敢斗精神は、 米軍人の亀鑑として高く評価されたものである。 特攻隊の功労者として名を宣揚したジェームス・アルテリィ少佐の原作を、 「渡るべき多くの河」の俊才ガイ・トロスパーが脚色、ハリウッド・プロデューサー界の巨人と 異名ある「サンチャゴ」「追憶」のマーチン・ラッキンが製作に当つた。 撮影監督はパイロットの出身であり、「男の叫び」「B52爆撃隊」等を撮った新鋭ウイリアム・クローセアで、 そのテキパキとしたカメラワークは、3個のオスカー・ホルダーである「南部の反逆者]の名匠 マックス・スタイナーの旋律と共にこの作品の価値向上に一層の拍車をかけ、ベテランのウイリアム・キャンベルが 美術を、オウエン・マークスが編集をそれぞれ担当、「大荒原」の俊腕ウイリアム・L・キューエルが 装置監督を勤めた。 主役のダービイ大佐には「サヨナラ」で既に紹介された好漢ジェイムス・ガーナーが選ばれ、 その適役ぶりはマスクだけでも物故したダービイ大佐に生き写しだった程で、ここに新らしいスタア が誕生したわけである。更に好漢ガーナーの出現と共に特筆されるのはフランス出身の新進 エチカ・シューローの登場である。まだ「青春の果実」1本だけが本邦で公開されたのみだが、その器量、 済技共に既に大スタアの貫録を持し、本年の最大ホープとしてこれからの活躍が大いに期待されている。 |
そして、この2人をめぐって新進、老巧が入り乱れての白熱の演技を見せる。第二次大戦中は
第百一空挺師団の軍曹として落下傘降下の助教を勤め、今は舞台、映画、テレビに活躍中の
ジャック・ウォーデン、「お茶と同情」で注目ある演技を残したエドワード・バーンズ、モデル出身で可憐さを武器に
これから大いに売出さんとする新星ベネチア・スチーブンソン、「トロイのヘレン」「摘部の反逆者」の
名優トリン・サッチャー等。 <物語> 第二次大戦の最頂期。当時アメリカ国防省に勤務していたウイリアム・ダービイ少佐は、 上官のトラスコット准将に直訴して特攻隊編成の急務を説き、自分がソウル・ローゼン曹長とともに その最適任者であると申し出た。 特攻隊の志願者はスコットランドのダンディにある英軍特攻基地に集結した。精鋭果敢な若人の 集合体である。ハンク″ビショッブ、シムス・デランシイ、エリ・クラットワージイ、 ハーブイ″ホール、トニイ・サザーランド、ローロー・バーンズ等がそれだ。 器用なビショップはまず良家の 出身であるロンドン娘ウエンディ・ホリスターにぞっこん惚れ込んでしまった。 彼女は国家総動員法の施行で某自動車会社のバス・ガールを勤めている身上だ。 英国駐屯の彼等特攻隊員に宿舎があてがわれ、少年期を終えたばかりのバーンズは英軍隊の助教官マクタピッシュ軍曹の宅に 留まることになったが、鬼軍曹には似つかぬ彼の娘ペギイと知り合って、2人は忽ち意気投合してしまった。 サザーランドの宿舎は考古学者のジョン・アンドリュース家だった。そこには若い妻のシェイラーも 居合せたが、彼女は人間の欲望に満足出来ぬのか、陰気な雰囲気の匂う女性だった。 ・・・ (121分) |