ナバロンの要塞

<The Guns of Navarone>   (61年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚色
撮影
作曲・音楽指揮
編集

<キャスト>
キース・マロリイ大尉
ミラー伍長
アンドレア・スタヴロウ大佐
ブッチャー・ブラウン無線兵
ロイ・フランクリン少佐
マリア
アンナ
パパディモスー等兵
ジェンセン代将
航空隊長バーンスビイ

カール・フォアマン
J・リー・トムプソン
アリスティア・マックリーン
カール・フォアマン
オスワルド・モリス
ディミトリ・チォムキン
アラン・オセビストン


グレゴリー・ペッグ
デビッド・ニヴェン
アンソニー・クィン
スタンリー・ベイカー
アンソニー・クェイル
イレーネ・パパス
ジア・スカラ
ジェームス・ダーレン
ジェームス・ロバートソン・ジャスティス
リチャード・ハリス
 これは激戦下にあって不可能と思われる任務を敢然と遂行した不屈な6将兵の物語である。  今次大戦に於いて、緒戦からドイツ軍に圧倒されていた連合軍が一挙に態勢を挽回し、勝利へのきっかけを作った 特筆すべき作戦が幾つかある。陸の北亜ユル・アライメン大決戦、海にあっては本映画「ナバロンの要塞」の原作となった エーゲ海ナバロン島要塞爆砕作戦等は特に有名である。
 天然の要害を形成し、難攻不落といわれたドイツ軍のナバロン島要塞に制圧されていた英軍が 爾後の作戦遂行と中立国トルコの去就、この二つの意味から是が非でも陥さねばならぬ必死の作戦がこれであった。 重く無謀と判断された計画を全軍から選ばれた6人の将兵に命令する。いわば特別攻撃隊ともいうべき、 この6人の闘志と各特技を生かすことが作戦遂行の要点であった。だが各々の経歴と性格は苛烈な特攻作戦の展開と共に 互いに反撥し合い葛藤をはらんで一瞬の予断も許さない。凄絶な戦闘と、緊迫した場にある男たちの心理が 鮮烈に描破されて見事である。
 製作は「チャンピオン」「シラノ・ド・ベルジュラック」の脚色で一流のシナリオ・ライターであり 「真昼の決闘」「鍵」の脚色製作者として知られたプロデューサー、カール・フォアマン。 29ヵ国に翻訳紹介された世界的ベスー・セラー、アリスティア・マックリーンの小説をカール・フォアマン自らが脚色、 ベルリン映画祭最優秀作品賞の「追いつめられて」「北西戦線」のJ・リー・トムプソンが監督、 「真昼の決闘」「紅の翼」「老人と海」で四つのアカデミー賞に輝くディミトリ・チォムキンが作曲並びに音楽指揮、 「日曜はダメよ」のマノス・ハッジダスキンが作詞、「ハバナの男」のオスワルド・モリスが撮影、 「戦場にかける橋」のジェフリイ・ドレークが美術を担当している。
 主演は「大いなる西部」のグレゴリー・ペッグ、「旅路」でアカデミー主演男優賞を受賞したデビッド・ニヴェン、 「炎の人ゴッホ」「革命児サパタ」で二つのアカデミー賞を受賞したアンソニー・クイン、 「地獄特急」のスタンリー・ベイカー、「戦艦シュべ一号の最後」のアンソニー・クエイル、 「俺の墓標を立てるな」のジェームス・ダーレン、「決戦珊瑚海」のジア・スカラ、ギリシャ映画界め人気女優で 「侵略者」のイレーネ・パパス等である。
 <梗概>  「それは6人の将兵を犬死させることにしかなるまい。しかし、今日まで、幾多の将兵の生命を奪って来た戦争で 更にいま、6人を失ったとしても、どれほどの差異があろう。だが、彼等が任務遂行できるかもしれない。 戦争には思いがけない奇跡が行われるからだ。 戦争という狂気の中で人間は信じられない機略、勇気を生むことがあるからだ」…これが、中東方面英軍特別作戦主任 ジェンセン代将の感概であった。
 1943年、エーゲ海方面の連合軍は非常な苦境に立っていた。ケ一ロス島を除いて総ての島は独伊枢軸軍の掌中に帰していた。 勢いに乗じたドイツ軍はケーロス島に釘づけされた3千の英軍を一挙に手中に収めようと躍起になっていた。 一方、連合軍は是が非でも2千の友軍を救わねばならぬ立場に置かれていた。島から海域へだてた直ぐ傍で トルコが状況如何んと注目している。現在は中立であるが何時でも優勢な方に就こうとするトルコの去就が 重要だったからである。
 何故、ケーロス島の英軍は放置きれた侭になっているのか、時と共に増大するドイツ軍に対して 彼等は死を待つばかりである。あらゆる救出が試みられたのだが凡て失敗に終った。失敗の原因はケーロス島の南にある 小島、ドイツ軍が占拠するナバロン島の断崖の洞穴に据えられた砲台であった。 天然の要塞を構成し、巨大な2本の砲身が海上を睨んでいる、海からも空からも難攻不落という砲台である。 この砲台でドイツ軍はケーロス島に通ずる機雷のない海峡を支配し、輸送、作戦を意のままにしている。
 ナバロン島を潰せ、英軍司令部の命令に数度の上陸作戦は企てられたが失敗に終った。 島には強力なドイツ軍が配備きれているからである。そして、島にある連合軍ゲリラ隊からの情報に依れば 愈々一週間後にドイツ軍はケーロス島に侵攻する企画である。英軍司令部の焦燥はかきたてられた。
 新たな作戦が計画された。ドイツ軍のケーロス島攻略前に6隻の英駆逐艦が海峡に進撃する。 その直前にナバロンの要塞を沈黙させることである。これは理想的な作戦計画である。だが、要塞で、 警戒厳重な砲台を如何にして爆砕させるか、全く不可能な作戦といっていい。・・・   (157分)

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