ケイン号の叛乱

<THE CAINE MUTINY> (54年)

<スタッフ>
製作
 監督
原作
音楽

<キャスト>
クイーグ中佐
バーニイ・グリーンワルド中尉
スティーブ・マリク中尉
  トム・キーファー中尉
  ミートボール
  チャリー少佐
 

スタンリイ・クレイマー
エドワード・ドミトリク
ハーマン・ウォーク
マックス・スタイナー


ハンフリー・ボガート
ホセ・ファーラー
ヴァン・ジョンスン
フレッド・マクマレイ
リー・マーヴィン
E・G・マーシャル
 これは「風と共に去りぬ」以来のべストセラーとして世界16ケ国に 翻訳出版され、1200万読者を熱狂させたハーマン・ウォークの ビューリッツア受賞小説の映画化で、既に3年間全世界が渇望した 世紀の超弩級作である。
 今次大戦、米海軍南太平洋作戦の真只中、駆逐艦ケイン号上に 炸烈する人間性と反抗、怒涛の中に息吹く青春の愛を描くこの作品は あらゆる映画的要素を網羅した迫力と昂奮の一大ロマンである。
 製作ほ「セールスマンの死」「乱暴者」の名製作者スタンリイ・クレイマー、 脚色は「セールスマンの死」のスタンリイ・ロバーツ、 監督はフレッド・ジンネマン(「地上より永遠に」)と共に鋭才の 呼び声高きエドワード・ドミトリクのメガフォンの下「ローマの休日」の名手 フランク・プレイナーが撮影を、三たびアカデミー賞に輝く名匠マクス・スタイナーが音楽を 担当した総天然色1954年度作品である。
 主演は「アフリカの女王」「悪魔をやっつけろ」のハンフリイ・ボガート、. 「赤い風車」「雨に濡れた欲情」のホセ・ファーラー、「戦場」 「二世部隊」のヴァン・ジョンスン、「深夜の告白」「殺人者はバッヂをつけていた」(近日公開)の フレッド・マクマレイの4大スタアに、特にこの作品によってスクリーン・デビュウする 話題の新人ロバート・フランシスとメイ・ウイン(彼女はこの作品中の役名を芸名とした) という絢爛たる顔合せである。
 米国海軍の全面的援助によつて2ヶ年の製作日数の下、空前の規模と 構想に依て遂に成ったこの映画こそは、昨53年度の「地上より永遠に」を凌ぐ 54年度最大の話題作である。
 <物語>  1943年、プリンストン大学を卒業した青年ウィリー・キースは、少尉候補生として 直ちに米国海軍収に入隊した。
 彼にはナイト・クラブの歌手をしているガール・フレンドのメイ・ウインがいた。 彼女はウィリーが出航前に彼に結婚の意志を訊ねたが、上流育ちの彼には母の許諾なしには はっきりした返答のしようがなかった。
 ウィリーは真珠湾で駆逐艦ケイン号に乗り組んだ。乗組員はいずれもぼうぼうの頭髪、 艦内は乱雑そのものだ。ウィリーは少なからず驚いた。キーファー中尉というのは ひどい恰好をしているが、艦の実権をを握っているという有様だ。
 戦艦にも空母にも配属されず選りに選ってこんなオソポロ船に乗り組んだウィリーは さすがにくさらざるをえない。これを知った艦長ド・フリース中佐は、向う18ヶ月間の戦闘で 艦を破損せぬため不断の注意が必要だと訓告、ウィリーを通信員に任命した。
 掃海作業中の或る日、浮標が海に落ちたためマリク中尉が海中に飛び込んで これを拾い上げるという事故が起った。その騒ぎの中でウィリーは通信を受取ったが、 それをポケットに入れたまま忘れ去り、あとで艦長から叱責された。 皮肉なことにそれは艦長更迭の通知だった。ウィリーは却って有難いと考えていた。 若年の彼には艦長の命令の適確さや、部下に対する人間的な思いやり等はまだのみこめないのだった。 
 かくて、新艦長クィーグ中佐が着任した。そのキビキビした磨きのかかった態度は、 ド・フリースのズボラさとは正反対で、ウィリーはすっかり感心した。 クィーグはウィリーを風紀係に命じた。 ・・・  (125分)

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