ビスマルク号を撃沈せよ!

<Sink the Bismarck!>   (60年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚色
撮影
美術
音楽

<キャスト>
シェパード大佐
アン・デイビス
リンデマン大佐

ジョン・ブラボーン
ルイス・ギルバート
C・S・フォレスター
エマンド・H・ノース
クリストファ・チャリス
アーサー・ロウソン
クリフトン・パーカー


ケネス・モア
ダナ・ウィンター
カール・モーナー
 大戦中、北大西洋で猛威を振るったナチの快速不沈戦艦ビスマルク号を イギリス海軍が撃沈するまでの血のにじむような苦心壮烈な海戦を描く、 イギリス作家 C・S・フォレスクーの実話小説、「ビスマルク号最後の七日間」の映画化。
 脚色は「誇り高き男」のエドマンド・H・ノースが当り、イギリス出身の若手新鋭監督で、 「善人は若死する」を手がけたルイス・ギルバートが演出した。 制作は「不敵な爪」を出したジョン・ブラボーンである。 ブラボーンは1924年ロンドン生れの貴族で岳父は提督マウントバッテン伯爵であるが、 49年に映画入りした変り種である。57年に彼はマーシャム・プロダクショソを設立した。 マーシャムという名称は彼の生れ故郷ケント州マーシャムからとった。
 撮影監督はクリストファ・チャリスでイギリスで撮影された。
 主演者は「S・0・Sタイタニック」「三十九階段」のケネス・モア、 「再会」「大戦争」のダナ・ウインターとウイーン出身のカール・モーナーで、 他に「S・0・Sタイタニック」のローレンス・ナイスミスやチェコスロバキア出身の カレル・ステパニック等が助演している。

 <梗概>  1941年の春、ナチがヨーロッパを席巻してからイギリスはいよいよナチの脅威にさらされる破目に陥った。 これよりさきイギリスはナチのUボートの跳梁に苦しめられていたが、 新たにヒットラーが不沈を誇つた快速戦艦ビスマルク号が北大乎洋上にその偉容を現わし、 イギリスの海上輸送路を断つべく積極的な活躍を開始したからだった。
 ちょうどこの頃ジョナサン・シェパード海軍少佐がイギリ
ス海軍省の作戦部長として着任する。 作戦部は海軍省の地下200フィートの秘密室にある。ここからの指令により艦艇の一つ一つが将棋のコマの ように動く。云わば、ここはイギリス海軍の作戦を司どる頭脳の中枢である。
 シェパード大佐は前任者と異り、一見氷のような冷厳な武人に見えた。作戦部員の中に 紅一点ともいうべき美しい女性アン・デイビスがいる。彼女には婚約者があったが 1年前イギリス軍がドイツ軍に敗れて大陸から撤退した時ダンケルクで戦死した。
 アンはやがて女性がもつ鋭いカンにより大佐が何か暗い悲しい過去をもつ人ではないかと感じたが、 事実そうであった。彼が以前艦長として乗っていた艦は敵に撃沈され、また愛妻と自宅を、 爆撃によって失ったことであった。以来彼は一切の人間的な感情をおし殺そうと努め、 作戦部に着任してからは、ひたすらビスマルク号を撃沈することにすべてを忘れようと決心したのである。 だが相手のビスマルク号は当時ドイツが全科学を結集して建造した排水量5万トンで、 15インチ砲を8門装備した快速戦艦であったから、それを捕捉して撃沈するのは容易なわざではなかった。 それでなくても連合軍側はドイツの潜水艦のため1ケ月に50万トンずつの輸送船を失っていた。 もしこの上ビスマルク号が北太平洋で猛威を振えばイギリスは海上封鎖を蒙り、 反撃に出ないうちに自滅しなけれはならなくなる。
 シェパード大佐は、海軍の主力をビスマルク号捕捉に向ける。だがビスマルク号は、これを迎え撃ち、 たちまち戦艦フツド号を撃沈し、プリンス・オブ・ウェールス号に大損傷を与えて遁走する。 この損害はイギリス海軍にとりじん大な痛手であった。イギリスは重大なピンチに追い込まれたのである。 ・・・  (97分)

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