633爆撃隊

<633 Squadron>   (64年)

<スタッフ>
製作
監督
原作
脚色

撮影
音楽

<キャスト>
ロイ・グラント空軍中佐
エリック・バーグマン大尉
ヒルデ・バーグマン
デイビス空軍少将
トム・パレット空軍中佐
ビル・アダムズ隊長

セシル・F・フォード
ウォルター・E・グローマン
フレデリック・E・スミス
ジェームズ・クラベル
ハワード・コッホ
エドワード・スケーフ
ロン・グッドウイン


クリフ・ロバートスン
ジョージ・チャキリス
マリア・パーシイ
ハリー・アンドリュース
ドナルド・ヒューストン
マイケル・グッドリーフ
 最近、第二次大戦中のレジスタンス秘話が盛んに映画化されるが、この映画はフレデリック・E・スミスの 原作小説に基き、ノルウェイの地下組織のリーダーが自国のベルゲン北部にあるドイツ軍の燃料工場を爆破するために 英国空軍に援助を求め、特殊任務をおぴた633飛行中隊が全滅に瀕しながら燃料工場の爆破に成功し、 連合軍の制空権を確保する壮烈な航空映画である。
 製作は「戦場にかける橋」「ナバロンの要塞」の製作スタッフ、セシル・F・フォード、 監督はウォルター・E・グローマン、映画はこれで2本目だがTV監督としては一流で、 「アンタッチャプル」「裸の町」「ニューブリード」「ルート66」と云うー級品を時には製作も兼ねて作っている。 脚色はジェームズ・クラベル(大脱走)とハワード・コツホ(カサブランカ≠ナアカデミー賞受糞)の共同で脚色している。
 主演のクリフ・ロバートスンは舞台、テレビで活躍しており、映画は「ピクニック」でデビュー以来 「裸者と死者」「インターン」「ちびっこ天使」などに出演「魚雷艇109」では若きJ・ケネディに扮した渋い演技者。 またジョージ・チャギリスは「ウエスト・サイド物語」以来一躍人気スターとなり「レッツ・ゴー物語」 「ダイアモンド・ヘッド」「太陽の帝王」「あしやからの飛行」と矢つぎ早やの出演をしているが、 この映画で行動的な地下組織のリーダーに扮し久々に硬派の魅力を出している。 紅一点のマリア・パーシイはドイツの新進女優だが、「黒い稲妻」以後は「合言葉は勇気」 「男性の好きなスポーツ」それにこの作品ともっばら国際女優として活躍する神秘的な青い眼とすばらしい金髪の美女である。 助演のハリー・アンドリュースは英国演劇界でシェークスピア役者として有名。 映画は「悪魔の弟子」「バラバ」「北京の55日」に出演し、この映画でも部下を死地に向わせる司令官の苦悩を 内面的な演技で現している。
 撮影はロンドン郊外のMGMスタジオ、ボビントン空軍基地、スコットランドで行われ、 第二次大戦中に活躍し今は骨董的存在となっているモスキート爆撃機が借り出されて多分これが最後であろう勇姿を見せた。 戦中パ
イロットとして実戦に活躍したウォルター・グローマン監督が実戦さながらの迫力ある空中戦を 初めてカラーでしかもワイド・スクリーンで再現したのである。


 <梗概>  1944年、第二次大戟の戦局はいよいよ大詰めに近づいていた。
 英国のサトン・クラドック空軍基地に英国の海軍大尉姿のエリック・バーグマンが重大使命を帯びて 派遣されて来た。彼はノルウェイの地下組織「リンゲ」のリーダーで、 ノルウェイのベルゲン北部に設置されたドイツ軍燃料工場爆破の貴重な情報を持っていた。
 デイビス空軍少将は英空軍のエース、633爆撃隊長ロイ・グラント空軍中佐、トム・パレット部隊長、 情報将校のビル・アダムズ中隊長を集め、直ちに戦略の検討をはじめた。
 この工場は、ちようど巨大な崖のひさしに抱かれた如く、すっぽり崖下に姿を隠していた。そのため、 工場を爆破するには山全体を爆撃し、粉砕された岩石で工場を埋めつくす以外に方法がない。 しかし、この空からの唯一のルートをドイツ自慢の精巧な高射砲が防御している。この計画を達成するには、 特製の大型爆弾を満載した633爆撃隊が目的地に到達する前に、 エリックの地下組織隊員が高射砲陣地を破壊しておかなければならないのだ。 しかも、この計画にはもう一つ大きな問題点が残っていた。たとえ爆撃機が爆弾をたたき込んでも、 機体は岩壁に激突してしまうだろう。
 グラントと航空学者でもあるホプキンスン空軍少佐はスコットランドに問題の地形によく似た場所を探し、 ここであらゆる飛行テストを行うと共に、山に爆弾をぶつけた後に無事生還出来る飛行編隊の組み方を研究した。 画家であるパイロットのピーゼルは、エリックの説明をもとに、問題の山岳地帯の克明な製図を作った。
 使命遂行のための訓練に17日間しかなかった。この日数を最高度に活用するため、 633爆撃隊の飛行訓練は日に増して厳しくなって行った。・・・  (101分)

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