裏 窓

<Rear Window>  (54年)

<スタッフ>
製作・監督
  撮影
  原作
  脚色
  音楽
 

<キャスト>
ジェフ
   リザ・フリーモント
   トマス・J・ドイル
   ステラ
   ラース・ソーウォルド
  

アルフレッド・ヒッチコック
ロバート・バークス
コーネル・ウールリッチ
ジョン・マイクル・ヘイス
フランツ・ワクスマン



ジェームズ・スチュアート
グレイス・ケリー
ウェンデル・コリー
セルマ・リッター
レイモンド・バー

 スリラーの第一人者として知られている名匠アルフレッド・ヒッチコックの新作。 ヒッチコック作品としては新しい味がもたれたもので、そのおもしろさにおいて、 英国時代の「三十九夜」につぐ名作と称されている。
 原作は「黒衣の花嫁」「幻しの女」(映画化さる)「暁の死線」などで有名な探偵小説家 コーネル・ウールッチ (別名ウィリアム・アイリッシュ)の短篇。
 シナリオはジョン・マイクル・ヘイス、カメラは「見知らぬ乗客」「私は告白する」で ヒッチコックと組んだロバート・バークス、音楽は「パラダイン夫人の恋」でヒッチコックと組み 「陽のあたる場所」「愛しのシバよ帰れ」の大作を手がけて、緊迫した雰囲気をもりあげることの名手 フランツ・ワクスマン。
 そのほか、グリニッチ・ヴィレジのセットに才腕をふるったサム・カマーと レイ・モイヤー、衣裳のイディス・ヘッドなど、アカデミー賞を得るパラマウソト撮影所スタフの 精鋭をすぐった陣容である。
 主演はちかごろますます貫録を加えて大スターになったジェイムズ・スチュアート、 相手女優は1954年のヒット女優ナンバー・ワンのグレース・ケリー(「ダイヤルMをまわせ」「モガソポ」 「トコリの橋」)、「私は殺される」「北の狼」のウェンデル・コリイ、「イヴの総て」 「わが心に歌えば」のセルマ・リッター、「陽のあたる場所」「熱砂の戦い」のレイモンド・バーなどの 腕ききが助演している。
 名匠アルフレッド・ヒッチコック会心の演出を見せて、もっとも期待すべきアメリカ映画の一つである。
 <物語>  ニューヨークのダウン、ダウン、グリニッチ・ヴィレジのアパート。 このへんは摩天楼が高さをきそって立ち並らんでいる大ニュー・ヨークのなかにポツンと とり残されたようなむかしながらのニューヨーク名所の一つ。アパートに住んでいるひとたちは いずれも都会の縮図人物としてかくべからざるひとたちである。
 物語はある夏のことであった。
 このアパートの一室ににジェフという雑誌社のカメラマンが住んでいる。 足をくじいて椅子にかけたままでいるので、窓から中庭をはさんだ向うがわのアパートの様子を ながめて、退屈な毎日をまぎらわせている。
 さいわい、夏のことなので、どの部屋もシェードがあがっていて室内の様子がよぐ見える。 ジェフが望遠鏡でのぞくと、アパートの住人の一挙一動が手にとるようにわかるのである。
 すばらしい胸を自慢にしている女がブラジャーをなくして、ジェフを喜ばせる。 男が欲しくてたまらない女がとうとう往来から男を連れこんでくるが、さて、男と二人きりになると、 どんなふうに切り出せばいいかわからない。新婚の男女が住んでいて、男がシェードをあけるたびに 女の腕をとって引きもどし、飽きる様子もなく濃厚なラブ・シーンを見せる。 そのほか、一日中ピアノに向って苦吟している作曲家、小さな犬を飼っている夫婦者など、 すべて、大都会の人生の縮図を眼のあたりに見せてくれる。 そのうちに、アパートの一つでおこったできごとがジェフの興味をひく、 ・・・   (112分)
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