サイコ<Psycho> (60年) |
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<スタッフ> 製作・監督 原作 脚色 撮影 音楽 <キャスト> ノーマン・ベイツ マリオン・クレーン ライラ・クレーン サム・ルーミス ミルトン・アボガスト ジュリフ・チェンバース |
アルフレッド・ヒッチコック ロバート・ブロック ジョセフ・ステファノ ジョン・L・ラッセル バーナード・ハーマン アンソニー・パーキンス ジャネット・リー ベラ・マイルズ ジョン・ギャビン マーティン・バルサム ジョン・マッキンタイア |
一作ごとに新しい話題をまきおこして、現在もっともひろい観客層を持っている
アルフレッド・ヒッチコックの待望の最新作。
製作中から秘密主義を徹底させ、先日の来日の節もつとめて内容にふれることをさけるなど、 この新作にかけたヒッチコックの野心がわかる。ヒッチコック作品のなかでもとくに大きな期待がよせられる 一篇である。 原作はロバート・ブロッグの推理小説(邦訳あり)、脚本はテレビ出身の新人で「黒い蘭」を脚色した ジョゼフ・ステファノ。この映画の完成後、ステファノはヒッチコックの作品およぴ テレビのヒッチコック劇場″のライターとして、4年間の契約をした。 撮影監督は「非情の青春」のジョン・L・ラッセル、音楽は「アンナとシャム王」「夜を逃れて」のほか 「泥棒成金」「めまい」「北北西に進路をとれ」などのヒッチコック作品を手がけでいる バーナード・ハーマン、字幕デザインは「八十日間世界一周」「めまい」「悲しみよこんにちわ」の ソール・バスなど、例によってぜいたくな顔ぶれをあつめている。 主演俳優はベラ・マイルズをのぞき、いずれもヒッチコック作品初出演のスターで、 同じスターを使うことの好きなヒッチコックとしては珍らしい顔ぶれをあつめている。 すなわち、アンソニー・パーキンス、ジョン・ギャビン、ジャネット・リーの4人を中心に、 「カラマゾフの兄弟」「私は死にたくない」のサイモン・オークランド、「十二人の怒れる男」「媚薬」の マーティン・バルサム、「胸に輝く星」のジョン・マッキンタイアその他の腕ききのバイプレヤーが顔を見せる。 「“サイコ”をご覧になる最上の方法は、必ず最初からご覧になることです。 デザートの後に肉料理は誰も食べません。途中からこの映画をご覧になれば、 面白みが半減するおそれがあります。 |
そこであなたの100%のお楽しみを守るために、
途中からのご入場はできない方針をとりました。例えどんな偉い方であろうとも。
もちろん劇場の裏口、裏窓、または換気装置の穴から忍び込もうという人があっても、 それは無駄です。皆様のご理解とご協力をお願いします。 “サイコ”をご覧になった方は、この物語の秘密をお友達に話さないでください。 もしどうしても話さないでは我慢できない方は、前半までにしておいてください。」 アルフレッド・ヒッチコック 「サイコ」のストーリーは、ヒッチコックの希望で厳重な発表禁止の処置がとられた。 ヒッチコックの映画はいつも観客の意表をつく面白さを特色にしているが、 ストーリーの発表まで禁じたのは初めてで、映画の歴史が始まって以来のことである。 そればかりか、撮影中はセットの入り口に護衛の警官を立てて、パスを持っていても入らせなかった。 宣伝スチールも出演俳優のポートレイトのほかは厳重な制限を行って、少しでもストーリーの内容が もれるようなものは絶対に許可しなかった。 ヒッチコックは「サイコ」のストリーの発表を許していないので、 事件がおこる時と所と登場人物だけを次にしるしておく。 時―― 現代。12月11日、金曜日の午後2時43分に物語がはじまる。 所―― アリゾナ州フェニクスと小さな町フェアベール。一ばん重要な事件がおこる場所は、 フェアベール郊外の街道すじをはなれたさびしい土地のモーテルとモーテルに 接続している古めかしい邸宅。 (上映時間109分) |