拳銃の報酬

<Odds Against Tomorrow>   (59年)

<スタッフ>
製作・監督
原作
脚色

撮影
音楽

<キャスト>
ジョニー
スレイター
ロリー
バーク
ヘレン

ロバート・ワイズ
ウィリアム・P・マッギヴァーン
ジョン・0・キレンス
ネルスン・ギッディング
ジョセフ・ブラン
ジョン・ルイス


ハリー・ベラフォンテ
ロバート・ライアン
シェリー・ウィンタース
エド・ベグリー
 民謡歌手として世界的な人気を持ち、また「日のあたる島」でわが国にも注目の演技デビユーをした ハリー・ベラフォンテが、自ら独立製作社、ハーベル・プロを興して製作した野心的な第一作が、 白色黒色の憎悪と対立の中に展開する、銀行襲撃のサスペンスを描いた異色ドラマ「拳銃の報酬」である。
 原作は日本でも「明日に賭ける」の題名で発売されている注目のスリラー作家ウィリアム・マッギヴァーンの ヒット小説を、作家ジョン・0・キレンスと「追憶」のヴェテラン・シナリオライター、ネルスン・ギッディングが共同で脚色、 「私は死にたくない」の才匠ロバート.・ワイズが監督した。
 撮影は「真夜中」の新鋭ジョセフ・ブラン。スタッフ中の魅力は何んと云っても音楽担当のジョン・ルイス (「大運河」)で、この映画のためにスコアを書いた他、1952年グループ結成以来常に人気の頂点にある モダン・ジャズ・クヮルテットを率いてバックを演奏しており、画面にも出ている。
 出演者は「日のあたる島」のハリー・ベラフォンテ、「最前線」「真昼の欲情」のロバートライアン、 「アンネの日記」のシェリー・ウィンタース、2年ぶりでスクリーン復帰の「オクラホマ′」のグロリア・グレアム、 「十二人の怒れる男」のエド・ペグリー、映画デビューのニューヨーク・メトロポリタン・オペラ座の プリマ・バレリーナ、カーメン・デラヴァラードなど、ヴェテラン、異色の演技陣を集めている。
 撮影はニューヨークのブロンクス地区にある、NY最古最大のゴールド・メダル撮影所で行われ、 銀行襲撃のシーンはNYの北方170キロ、ハドスン河に臨んだハドスン町に3週間のロケ撮影をした。
 <梗概>  デイヴ・バークは古参の警察官だったが、法廷侮辱罪で職を解かれ、その上1年間の懲役に処せられた。
 出獄してブロンクス地区の古いアパートに1人住むようになったバークは、 上司への腹いせと、生活費にもこと欠くうって変った惨めな境遇から、一獲千金を夢見て銀行強盗を計画し、 前職の顔をりにアール・スレイターを仲間に誘った。 スレイターは盗みは嫌だと断ったが、成功すれば足のつかない小銭で5万ドルの大金が握れるのだから、 ともかく「実地検証」に出かけようと執拗に誘うバークだった。
 スレイターは元来が陰気な男だったが、前科の汚名を被ってからはいよいよひねくれてしまっていた。 その上、気だてのよい情婦のロリーに不甲斐なく養われていることも、何時まで経っても 自活のメドさへつかぬことへの焦燥を駆り立てていた。そんな時に囁かれたバークの誘いに、 彼は抵抗し難いものを感じた。
 問題の舞台――ニューヨークからハドスン河を100マイルほど遡った静かな町メルトンに乗り込んだバークは、 目ざす銀行の向い測のホテルに部屋をとると、計画を逐一スレイタ一に説明した。毎週木曜日の夕方、 銀行には翌日のある工場の給料支払いのため15万ドル以上の金が集る。午后6時、 銀行は数名の行員と1人の老守衛を残して閉店する。6時15分、近くのレストランから黒人の給仕が夜食を運んで来る。 もう1人の仲間を給仕に化けさせれば、裏口を開かせることが出来る――そこまで聞いたスレイターは またも難色を示した。もう1人の仲間は黒人でなくてはならぬが、黒ん坊なんかと仕事が出来るものか――。 ・・・
    (96分)

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