契約殺人

<Murder by Contract>   (58年)

<スタッフ>
製作
監督
脚本
撮影
音楽

<キャスト>
クロード
マーク
ジョージ

レオン・チューラック
アーヴィング・ラーナー
ベン・シムコー
ルシエン・バラード
ペリー・ボトキン


ヴィンセント・エドワーズ
フィリップ・パイン
ハーシェル・ベルナルディ
 女性層に絶対の強みを堅持するヴィンセント・エドワーズ。 これは日本で公開される彼の主演作品の第一弾である。
 野望に燃え、そして自分に敗れた若い殺し屋のむなしい姿を 激しく描いたベン・シムコーのオリジナル脚本をもとに、「レッグス・ダイアモンド」を手がけた レオン・チューラックが製作、新鋭アーヴィング・ラーナーが監督した鋭いタッチの暗黒街戦慄編である。 音楽は作曲・演奏ともにペリー・ボトキン、 撮影は鋭才ルシエン・バラードが担当している。
 出演はTVシリーズ "ベン・ケーシー" で一躍スター・ダムののぼった前記 ヴィンセント・エドワーズの他、アクションものに特異な演技を披露するフイリップ・パイン、 同じくハーシェル・ベルナルディ、そして新星キャプリス・トリールという異色のキャスティングである。
 この映画のいちばんの面白さは、ヴィンス扮する殺し屋クロードの性格づけだが、 さらに、殺し方にいろいろとエ夫がこらされていて、従来の犯罪映画にない新鮮さがある。 またテーマ曲 "殺し屋のテーマ" は映画より一足先に日本をふうぴし、 長期間ヒット曲の上位にランクされた。
 時に逞しい毛むくじゃらな上半身をふんだんに見せるヴィンスが、 TVとはまた違った演技をどのように見せるか、見どころであろう。
 <梗概>  サンフランシスコの、山手のさるアパートに、ブーンという男を訪れた若者がある。
「わしがブーンだが――」うさん臭そうな面持で戸口に出た彼に若者は言った。
「連絡があった筈ですが――」
「誰から?」ブーンは用心深い。
「ブリンク氏」
「まあ、入れ」
 若者はクロードという。用件は?ときかれると "契約" ががほしいというのである。
「失業か?」ときかれると、そうではないという。ちゃんとした勤め口を持っているのだが、 オハイオ河の川岸に、自分の家を買いたい。今の週給は税こみで72弗。 それだと、ほしい家を買うまで23年かかる。それで、契約がほしい。というのである。
「貴方は僕が必要な筈です」
「俺は引退した不動産屋だ。仕事はT・Xを見るだけ、切角だが相談には乗れない」
「仕方ありまセん、会えただけでも幸いです。失礼」クロードは戸口を出ようとした。
「まさかの時のためだ。電話があったら番号を書いて行け」
「僕は何でも書き残さない主義です」
「頭がいい、何番だ」 ・・・     (81分)

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