日本人の勲章

<Bad Day at Black Rock>   (55年)

<スタッフ>
製作
 監督
原作
 音楽

<キャスト>
ジョン・J・マクリーディー
  リノ・スミス
  リズ・ワース
  ティム・ホーン
  ドク・ヴェリー
  ピート・ワース
  コーリー・トリンブル
 

ドーレ・シャリイ
ジョン・スタージェス
ハワード・ブレスリン
アンドレ・プレヴィン


スペンサー・トレイシー
ロバート・ライアン
アン・フランシス
ディーン・ジャガー
ウォルター・ブレナン
ジョン・エリックソン
アーネスト・ボーグナイン
 MGM製作部長ドオレ・シャリー自身製作になる異色西部劇で、 「ブラボー砦の脱出」の名手ジォン・スタージェスの監督である。
 ハワード・プレスリンの小説「本田の厄日」を、ミラアド・カウフマンが脚色した最新作。 映画を貫く主軸はサスぺンスである。
 「花嫁の父」の様なソフトな老け役が続いたスペンサア・トレイシイの久しぶりの タフな主役であるが、この「見知らぬ旅人」ジォン・マクリーディを不安がるブラック・ロックの 犯罪者と同様、マクリーディ自身も、ハッキリした目的で来たのに、いきなり不気味な 雰囲気につゝまれた心は甚だしく動揺している。一面、戦争で片輪になって絶望した彼が、 こうした雰囲気の中に「不安」におののき、そこがら「生」を見出すという人間心理をも描いてゆくわけである。
 共演は「罠」「裸の拍車」に出て先頃来朝したロバート・ライアン、「奥様は芳紀十七才」の アン・フランシス、「頭上の敵機」のディーン・ジャガア、「北西への道」「西部の男」「赤い河」の ウォルタア・プレナン、「ラプソディー」「皇太子の初恋」のジォン・エリクスンである。
 スぺンサア・レイシイとウォルタア・プレナンが顔を合せるのは之が八度目。 その中には「激怒」「スタンレー探検記」「北西への道」などがふくまれている。
 トレイシイは「少年の町」と「我は海の子」でアカデミイ主演賞を、 プレナンは「大自然の凱歌」「ケンタキイ」「西部の男」で助演オスカアを三度、 またディーン・ジャガアは「頭上の敵機」で助演オスカアをとっている。
 唯一人の女の出演者であるアン・フランシスはデピー・レイノルズと同じ年だが、 MGMに入ったのはおそい。然しMGMは今年彼女を相当売り出す筈である。このあとにくる彼女の映画は ロバート・テイラアの「警官は儲かるか」(ロオグ・カアプ)であるが、 最近はグレン・フォード主演の「ブラックボード・ジャングル」、コオネル・ワイルド主演の 「スカアレット・コオト」にそそれぞれ女主人公をつとめている。ピアノも相当弾くし、 唄も本職、詩も水彩画も相当という教養の持ち主である。
 <物語>  4年前に停車したきり.の流線型の急行列車がこの朝にわかに停ったので、 ブラック・ロックの電信屋へイスティングスはびっくりする。一人の旅人が下車した。 左手をプラリとポケットにつっ込みスウツケイスを一つ持っていた。
 この旅人がアドビフラットに用があって来たと聞いた時、ヘイスティングスははっとした。 旅人がたゞ一軒のホテルに向たっ後で、彼はすぐ部落に急報した。
 それだから旅人がホテルへ着いた時、そこにいた人間は、たゞならぬ不安にかられていた。 ピート・ワァスはまだ戦争中だから、うっかり旅人には貸せないと云った。 旅人はもう2ケ月前に戦争は終ったと笑った。然しこのホテルはカウボーイたちが月極めで借りているから駄目だというのだ。 然し旅人はそんな返事でひき下る人間ではなさそうだ。第一、引き下ったところで汽車は電報をうたねばとまらないではないか。 遂々彼は一室を強引にとってしまった。宿帳にはジォン・マクリーディ、ロス・アンヂェルスと書いた。
 何者であろう。そこにいたコオリイとかへクタアとかいう男が、獣医兼葬儀屋のドク・ヴェリーにきいた。 刑事か? 片手の刑事ということばなかろう。それとも片手ではなくて、あのポケットに 何か忍ばせているのか? 然しドクは平然としていた。彼はベツに恐いものはない。 そこえ急報によって彼の部落のボスらしいスミスがやって来た。
 何しろ落ちつき払った気味の悪い男だとみながいう。廃し、マクリーディの度胸を試しに行った ヘクタアは脅したら、おとなしく室を変えたくらいだから大した事はないと言つた。
 スミスはロス・アンヂェルスの私立探偵に照会電報をうたせた。この間にマクリーディはシェリフの ティムを訪ねたが、この男は呑んだくれでスミスの雇いジュリフだから、アドビ・フラットの ことをきくと、何も答えなくなった。
 スミスはやがてマクリーディに会った。アドビ・フラットに何の用があるときいた。 駒舌という日本人の農夫を探しているという。 ・・・  (82分)

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