すばらしい空中旅行

<Nils Holgerssons Underbara Resa>
  (62年典)

<スタッフ>
製作・監督
原作
脚本
撮影
美術
音楽
編集

<キャスト>
ニルス


ケン・ファント
セマ・ラーゲルレーフ
タージ&キャスリーン・オウエル
マックス・ウイレン
ビビ・リンドストロム
トルブジョルン・ルントグイスト
カール・オロフ・スケップステット


スベエン・ルンドベルグ
マックス・フォン・シドウ
アニカ・トレトウ
 壮大なスケール。あふれる詩情。豊かな色彩。わんばくニルス坊とともにガチョウに乗って ヨーロッパの空の旅はいかがでしょう。
 スエーデンの生んだノーベル文学賞受賞のセルマ・ラーゲルレーフ女史の世界的名作 「ニルスのふしぎな旅」を完壁に映面化したこの作品は、総天然色イーストマンカラー、 アガスコープのスエーデン映画始まって以来の大規模なスケールで一年半を費して完成された 大型の御家族向き最高カードです。
 「赤い風船」「素晴しい風船旅行」のアルベール・ラモリスをフランスから技術顧問として招き、 彼が名づけたヘリコプターによる空中特殊撮影ヘリビジョンで完成されました。
 主演のニルスには一万人の侯補者からスベエン・ルンドベルグが抜てきされ、 「処女の泉」のマックス・フォン・シドウがニルスのパパを演じ、 スエーデン演劇界の名女優アニカ・トレトウがママを演じています。
 製作・監督はスエーデン映画の新鋭ケン・ファントで、スペンスカ航空の全面的協力を得て完成されました。

 <梗概>  スエーデン南部のある小さな農家に、ニルス・ホルゲルソンという、10才になる少年がいた。 彼は手に負えないいたずら者で怠け者だった。ある日曜日の朝のこと、 父親の言いつけでしぶしぶ聖書を読んでいると、ふと奇妙な小人がそばにいるのに気がつく。 そいつをつかまえようとしているうちに、その小人の魔法にかかってニルス自身が小人にさせられてしまう。 しかも、そのとたん急に動物たちの話し声が理解できるようになっているのに気付いてびっくりする。
 農園の上空を、一群の雁が渡ってゆくところだった。 雁は地上によたよた歩いている鵞鳥の姿を見つけると、『一緒に
飛ぼうよ僕らの仲間に入りなよ』と誘った。
 ニルス少年は、白い大きな鵞鳥のモルテンが雁の誘いに応えて飛び立とうとするのを 懸命にとゞめようとするが、モルテンは、しがみつくニルスをぶらさげたまま空高く舞い上ってしまう。
 雁たちの一行は、夕暮になるとヴォンブ湖の水際に降りたった。モルテンはなれぬ空の旅のことで、 すっかり疲れてしまい、ニルスの助けがなければ参ってしまう所だった。 かくして鵞鳥のモルテンとニルス少年は一変して無二の親友になってしまった。 ニルスは実は人間の子だということがばれると、雁たちはニルスを仲間から追い出そうとする。 しかしモルテンは、ニルスの責任は一切自分がとるからという申し出をして、ピンチを救おうとする。 雁の一行の中で最も長老格で、リーダーであるアツカは、遂にモルテンの申し出に許可を与え、 ほかの雁もそれにならって同意する。 それというのもニルスが、悪狐のスミールから、雁の1羽を守ったからだった。 こうして、ニルスのラブランドへの不思議な旅が始まる。
 一行が、まず最初に飛んで行った所は、クッラベルイという山だった。 ここは、毎年恒例の鶴のダンスが催され、動物たちの平和集会が行われるところだった。 こうのとりのエルメンリークについてニルスも一緒に行った。この集会で、 狐のスミールは、規約を破って一羽の雁を殺したかどで、追放されてしまう。
 そうしているうちに、ニルスはなんだか淋しくなり、もう一度普通の少年の姿になれたらなあと切望するようになる。 たまたま一羽の年をとったふくろうから「お前が鵞鳥のモルテンを連れ戻すことができたら、 お前も元通りになれる」と教えられる。・・・
     (100分)

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