わんわんの冒険旅行

<Pals>   (53年洪)

<スタッフ>
製作
シナリオ・監督・撮影
編集
音楽

<キャスト>
プロッコ
プレチカ

ブダペスト・スタジオ
イシュトヴァーン・ホモキ=ナジ博士
ゾルタン・ファルカス
オットー・ヴィンツェ


ハンガリアン・ポインター
ダックス・フンド
 「わんわんの冒険旅行」は、先に優れた記録映画「大湖沼」を製作した、 ハンガリーの代表的動物学者であり動物映画製作者である イシュトヴァーン・ホモキ=ナジ博士夫妻が、数々の動物映画製作の経験を基にして、 5ケ年の才月を費し、ハンガリー南西部の大湖沼バラトン湖及びその周辺の大平原、 山岳地帯を背景に描いた、2匹の猟犬と1羽の狩猟鷹の胃検旅行記です。
 博覧会に特別参加するため飛行機で運ばれる途中、偶然の事故から主人夫妻と 離れ離れになった3匹の仲間―ハンガリアン・ポインター犬とダックフンド犬各1頭と 鷹1羽が、沼地を渡り、野を過ぎ山を越えて、ある時は山火事に追われ、 ある時は地底の洞窟に転落し、折からの豪雨で勢いを強めた水に押し流されて滝壱に放り込まれ、 またある時は狩猟用の罠にかかりながら、あるいは向う見ずの野猪に追われ、 狡猾な野狐に奔弄されながら、互いに仲間同志が助け合い、かばい合いながら、 本能を唯一の頼りに主人の家へ幾百キロの旅を往く、というのがこの映画の物語です。
 「わんわんの冒険旅行」は3匹の動物を主人公にしたスリルとユーモア、 そLて人間のそれとは違った哀感を交じえた動物劇映画ですが、美しい詩的な色彩で とらえたハンガリーの自然や、そこに棲む数々の猛獣、小動物、鳥、魚などの生態、 美しい花々の姿なども、また、この映画の見逃がせない共演者で、それらの総てを 劇的に纏めたことが、この映画を、自然の脅威シリーズを中心とするディズニーの動物映画、 記録映画とは全然異った新しいものとしています。
 事実、この映画は公開された各国で素晴らしい反響を呼び、新形式動物劇映画の 誕生と云う表現で絶賛を博しております。動物学者であるホモキ=ナジ博士夫妻の 努力と愛情で完成したこの映画は、単なる娯楽映画としてばかりか、教育的、 情操的見地からも優れたもので、青壮年から学童児童までの幅広い層の鑑賞に たえるものであります。
 日本公開版は江利チエミが解説を行い、多摩動物公園所長が監修を行っています。 ・・・  (95分)

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