サーカスの芸人たち<Artists of Circus> (57年ソ) |
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<スタッフ> 監督 脚本 製作顧問 作曲 音楽 日本語解説 |
L・クリスティ V・コミサルジェフキー L・クリスティ E・クズネツォフ D・リヴォフ・コンパネーエツ D・シティリマン 財前和夫 |
ソ連のポリショイ・サーカスはポリショイ劇場バレエ団、レニングラード交響楽団とともに、
ソ連の三つの誇り" の一つに挙げられているが、その一隊は先ごろ来日して、
東京と大阪とでその妙技を公開している。
ポリショイ・サーカスは、ソ連の国立サーカスで、団員は5000名を数えるといわれ、 日本での公演と時を同じくして、ソ連国内を始め、スエーデン、パリ、ベルギーなどの世界各地に 巡業団を派遣しているが、この映画は、ポリショイ・サ−カスの本場であるレニングラードと モスクワの二大都市における大規模な公演のさまを、総天然色キノスコープ(ソ連式シネマスコープ)の 画面に描き出したもので、たくさんのカメラマンを動員して、演出でない本ものの公演のスリルと 楽しさを、生き生きと記録している。 アメリカ式のサーカスを見なれた眼にも驚嘆に値いするのは、出場動物の芸のすばらしさで、 シベリア産の巨大なトラが大挙出演するスリルたっぷりの曲芸や、馬のレビュー、踊る象、 奇想天外のサーカス列車などのだし物のほか、日本にも来たクマの一座の珍芸が観る者を爆笑させる。 また人間の芸では爽快な空中サーカスが数グループ出演して、思わず息をのむような妙技の極致を 見せるが、さすがソ連のサーカスだけあって空中サーカスに人工衛星や宇宙飛行の感じを表わしたものが多く目新しい。 道化役ではウラジミル・デュロフ、カランダーシュ、オレグ・ポポフなどのソ連最高級の 喜劇俳優たちの十八番芸が公開されており、ここには、古くからのロシア演劇の伝統がうかがえる。 撮影はT・グウトマン以下、3人のカメラマンが担当し、L・クリスティが監督に当っている。 色彩はアグファ・カラー。 |
<演し物>
「サーカス列車」ウラジミル・デューロフがみせる、彼の祖父の発案になるというだし物。
彼の運転する列車に、色々な動物が、お客として乗りこんでくる。 「猟師の夢」同じくデューロフの、ハト数十羽を使っての道化芝居。 「曲乗り馬術」ソ連曲乗馬術の創始者アレキサンドル・セルジの一座の離れわざ。 「サーカス・リングのアクロバット」戦争中飛行機乗りだったウラジミール・ドヴェイコの一座の曲芸。 「竹馬のトンボ返り」アレクサンドル・サジェネフ一座がみせる、数メートルの高さの竹馬をはいての トンボ返り。 「アクロバット・バレエ」四人の美女、ディオムキン一座が演じるバレエ。 「青いトンボの離れわざ」空中の金属製のブランコを使ってブブノフ一座の三女性が演技する。 「竿の上の軽業」一人の男の肩の上にたてた竿の上で、二人の男女が示すボロヴネフ一座得意の曲技。 「シーソーのアクロバット」リングの中に大きなブランコ式のシーソーを備え付け、その遠心力利用で 人間を空中高く跳ね上げる。 「トラの曲芸」シベリヤさんの巨大なトラ5頭の数々の曲芸。 「コーカサスの綱渡り」高く張った綱の上で驚くべき離れ業を展開する。 「馬のレビュー」数多くの白ウマの一糸乱れぬレビュー。 以下、「円天井下の飛行」、「空中の道化」、「生きている彫刻」、「空中の回転台」、 「奇術」、「公園にて」、「馬上の曲芸」、「クマの珍芸」、「道化芝居」。 (75分) |