良心なき世代

<Os Cafajestes>   (62年伯)

<スタッフ>
監督
脚本

撮影
美術
音楽

<キャスト>
ジャンディル
レダ
バーバ
ビルマ

ルイ・グェルラ
ミゲル・トレス
ルイ・グェルラ
トニー・ラバトーニ
ルイス・ボンファ
ネリオ・ネリ


ジェセ・バラダン
ノルマ・ベンゲル
ダニエル・フィルホ
ルシー・カルパルホ
 ブラジルのヌーベル・バーグともいわれる新鋭ルイ・グェルラが、 同じく新進のミゲル・トレスと協力、鋭い感覚で、若い世代の生態をえがいたもの。
 既成の映画にあきたらず、若い世代の手で新しい映画を作ろうと試みた意欲から生まれた野心作。 その大胆な描写と斬新なカメラワークは世界的なセンセーションをまきおこしている。
 なお、この映画は62年のベルリン映画祭にブラジル映画界を代表して出品されたが 果然はげしい賛否の嵐をまきおこして話題をさらってしまった。
 撮影のトニー・ラバトーニはブラジル映画界の新進カメラマン。 黒白の陰影を生かしたみごとな構図は高く評価されている。 音楽は「黒いオルフェ」の作曲者ルイス・ボンファ。
 主演のノルマ・ベンゲルは歌手としても知られている。その他の出演者は いずれも新進のスターたちである。
 彼らとて、こうした生活に満足しているわけではない。

 <梗概>  ジャンディルとパーバは親友である。毎日、顔を合わさぬことはない。 有名な観光地コパカバナにたむろLて、酒を飲んだり女をからかりたり……。 けっこうな身分にはちがいないが、これも、実はバーバの父親から、かなりの小遣いをもらっては、 2人でせっせとばらまいていた、というわけなのだ。おかげで、 2人はこのコパカバナではちょっとした顔である。
だが、いまさら、 堅気になったところで、どうなろう? 働いて得られる金など知れたものである。それなら、 いっそ、できるところまでやくざな暮しをしていた方が気が楽だ…。
 ジャンディルは、元来が貧乏家庭の出である。まともなら、とても、 こんな生活はできないはずだった。だが、パーバとの結びつきから、彼は、 こうした社会での生き方を、身につけてしまったのである。他人はできるだけ利用すること。 他人を信じないこと。女には惚れないこと。この精神を忘れなければ、食うに心配はいらない。
 ところで、その彼に、突然、困った事件がもち上がってしまったのである。 金づるであるバーバの父親が、銀行倒産のあおりをくらって、経済的な危機におちいつてしまったのだ。 父親にはもうドラ息子に与える小切手はない。危機は2人のプレイボーイたちの上に迫ってきた。 金がなければ、いい顔″はできない。とにかくまず金が必要だ…。
 2人の計画はこうである。バーバの父親の破産の原因となった銀行はもうつぶれたも同然だ。 その銀行の大株主である伯父はそんなことでは動じないほどの大資本家。 そこで、その伯父をゆするというわけである。伯父には情婦がいた。地位のある実業家にとっては、 あまり知られたがらぬ存在だ。その情婦をうまくさそい出し、その裸の姿を写真にとる。 これで、伯父からは、かなりまとまった金が手渡される仕くみとなる。 ・・・(90分)

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