灰とダイヤモンド

<PopioL i Diament>   (58年葡)

Ashes and the Diamond
<スタッフ>
監督
原作
脚本

撮影
美術
音楽


アンドルゼイ・ワイダ
イエジイ・アンジュイエフスキー
イエジイ・アンジュイエフスキー
アンドルゼイ・ワイデ
イエジイ・ウォイチーク
ロマン・マン
ウロツラウ放送五重奏団
<キャスト>
マチェック
クリスティーナ

ズピグニェフ・チプルスキー
エプァ・クジィジェフスカ
 「地下水道」でカンヌ映画祭審査員特別賞を受け、一躍世界の注目を集めたポーランドの新鋭 アンドルゼイ・ワイデ監督の最新作。第二次大戦直後の急激に変動する混乱のポーランドを背景に、 暗殺者として生き抜こうとし、はかなく散った一青年を通して人間の真実を究めようとしたこの映画は、 混迷の世相に、もろくも灰の如く崩れ去るものと、ダイヤモンドにも以た輝きを放って前進を続けるものとの相剋を描き、 その中に苦脳する若い世代の純粋な魂の慄えを浮き彫りしている。
 これは、「若い世代」『地下水道』を含めてポーランドの戦後混乱期を描いた三部作を為すものといわれている。 イエジイ・アンジュイエフスキーの原作は、ポーランド文学界に大センセーションを捲き起したものである。
 この映画の主人公マチェックを演ずるズピグニェフ・チブルスキーはポーランド芸術学院で養った演技力に、 身体の隅々まではねかえる素晴しくデリケートな感受性を加えて、アンドルゼイ・ワイダ監督の構成する冷徹な場面に 若いエネルギーを爆発させている。ヒロインのエヴァ・クジィジェフスカは象徴的な美しさを感じさせる 個性的なマスクの持主で、目下芸術学院在学中とは思えぬ大胆な演技を示している。 撮影はイエジイ・ウォイチークが担当。音楽はポーランド楽壇の重鎮フィリップ・ノワック指揮のウロツラウ放送五重奏団が特別出演している。
 <梗概>  時は1945年5月。ドイツ軍降伏のニュースがポーランドの隅々に放送されている最中である。 戦火を免れた、とある教会のの入口に鋭い目をした2人の男が見張っていた。 やがて1台の自動車が接近し教会の前を通り過ぎる一瞬、2人の隠し持った自動小銑が猛然と火を吹き、 車中の人々は惨殺された。走り寄った2人は死者のポケットを探り身許証明書を調べた。失敗、誤殺だった。 2人の暗殺者は現場を逃走した。
 暗殺者は、戦時中、抵抗組識に参加してドイツ軍と戦ったが、今は反政府側に属する 殺し屋であるマチェックとアンジュイである。
 逃走した2人はモノポール・ホテルに身を潜めた。 ホテルのバアでマチェックは給仕の少女クリスティーナと知り合い、 美しい彼女の瞳はマチェックの心に深く焼きづいた。ホテルには、明日ここで開催される終戦と 新政府設立の祝賀会に出席する為、政府の要人達が続々と到着し、 マチェックの狙う労働運動の指導者シュチューカもこのホテルに投宿、偶然にも暗殺者と狙われる者とが 同じホテルで顔を合せることになった。マチェックはシュチューカの部屋の隣りに泊り込み、 暗殺の機会を狙っていた。彼等が絶えず電話連絡する黒幕、それはワーガ少佐である。 彼の命令でマチェックはシュチューカ暗殺を決行しなければならない。だが反政府派の一味も保安隊に追われ、 次々と逮捕されて・・・ (103分)

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