天使なんかあるものか

<Aenglar, Finns Dom...>   (61年典)

<Angels Are There Any...?>
<スタッフ>
監督
原作
脚色
撮影
美術
音楽


<キャスト>
ヤン・フローマン
マルガレータ
グンテル将軍

L・マグナス・リンドグレン
ヨーン・エイナル・オベリエ
L・マグナス・リンドグレン
ルーネ・エリークソン
ヤーン・ボレスロウ
エバート・タウべ
T・ルンドクイスト


ヤール・クーレ
クリスティナ・ショリン
エドウィン・アドルフソン
 どこに就職するでもなく家に籠って読書三昧に耽っていた青年が たまたま一冊の本に刺激されて銀行の守衛を振り出しに、それまでに読書で得た知識をフルに生かして 次々とチャンスを掴み、遂に銀行の頭取にまでのし上がる――。
 短い期間に計画どおり巨万の富と美女を手に入れる茶目っ気に満ちた無頼者の青年を主人公にした このスエーデン映画は、寓話的な構成のもとに、鋭い諷刺精神で現代青年が持つ「抜けめのなさ」 「厚かましさ」そして「ファィト」を心にくいまで巧みに現したものである。
 監督はラルス・マグナス・リンドグレン。撮影はルーネ・エリークソン、音楽はE・ダウべ、 T・リンドクイストがそれぞれ受け持っている。
 出演スターは、主人公ヤン青年に扮する演技派ヤール・クーレ、「怒れる若者たちの遊び」の 明眸クリスティナ・ショリンをはじめ、エドウィン・アドルフソン、グンナル・シューベルクなど、 スエーデン映画界で活躍する芸達者が演を競っている。

 <梗概>  ヤン・フローマンは20歳を出て間もない青年である。お母さん児の彼は、これという職にもつかず、 ひまさえあればソファーに寝ころがって読書三味にふけっていた。
 ある日、彼は《成功への道》という本を読み、大いに刺戟され、堅い志を抱いて 主都ストックホルムヘ上京、市
でもっとも大きいアルメナ銀行の守衛、ベアーの助手をつとめることにした。
 初老に近い年配のベアーと若いヤンは妙に気が合った。
 明朗で機転がきき、なかなか博識なこの読書好きの青年を、ベアーは自分の息子のように愛した。 一方ヤンは、少しも先輩風を吹かさず、なにくれとなく指導してくれるベアーに、自分の理想や 私生活にわたってのすべてを打ちあけていた。
 そのうちヤンはふとしたことから同じ銀行で、出納係りをつとめているマルガレータという 若く美しい海軍大将の令嬢と知り合った。豊かな家庭に育った彼女はわざわざつとめるまでもないのだが、 嫁入りまえのレジャーをもて余してつとめているわけだ。
 ひとめ見たときよりヤンは、彼女に強く惹かれたが、残念ながら彼女はすでにロルフという 金持ちの男と婚約していた。
 然し、男が一旦思いたったのだ。ヤンは何が何でもマルガレータの愛を獲得しようと決心した。
 ヤンは時にふれ折にふれ、マルガレータと話し合うチャンスを狙った。このことは、彼女にとって 決して嫌なことではなかった。彼女にしてからが、初めから憎からず想っていたヤンである。 それに、お堅い一方で、仕事第一主義の分別くさい婚約者ロルフと会っているときよりもずっと面白かったからである。 ・・・  (108分)

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