哀愁の花びら<Valley of the Dolls> (67年) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作(小説) 脚色 撮影 音楽 <キャスト> アン・ウェルズ ニーリー・オハラ ジェニファ・ノース ヘレン・ローソン メル・アンダーソン |
デビッド・ワイスバート マーク・ロブソン ジャックリン・スーザン ヘレン・ドイッチェ ドロシー・キングスリー ウィリアム・ダニエルス ジョニー・ウィリアムス バーバラ・パーキンス パティ・デューク シャロン・テイト スーザン・へイワード マーチン・ミルナー |
原作「人形の谷間」Valley of the Dolls はペーパー・バックだけで1千万部をこえたという驚異的な
ベスト・セラー小説である。この Doll(人形)が "睡眠薬" を指すスラング(俗語)であるのは言うまでもない。
華やかな芸能界に生きる3人の女性の姿を、DollとSexの狂宴の中でリアルに描いた点が読者の絶賛をうけた。
主題曲はまれにみる美しいメロディーと哀愁にみちた歌詞をもっており、アメリカの人気歌手ディオンヌ・ワーウィックの 名唱もあって、ついに全米でキャッシュ・ボックスとビル・ボードのトップの座を占めている。 日本人向きのメロディーで画面へのインサートも、実にうまくムードをかきたてている。 この映画ほど配役にゴタゴタが起きたのもめずらしい。キャンデス・バーゲン、ラクェル・ウェルチ、 アン・マーグレットが決定したもののライバル意識が強烈すぎてついにご破算!結局いま売りだしの新進3スターと スーザン・へイワードに決定して完成。原作よりは新鮮なドラマになった。 <梗概> 大学を卒業し、ニュー・イングランドの片田舎ローレンスビルからニューヨークヘ出て来たアン・ウェルズは、 ベラミーとベローズ共同経営の芸能周旋杜の秘書に雇われた。アンの最初の仕事は、 ブロードウェイの大女優として自他ともにゆるしているヘレン・ローソンの出演契約をとりまとめることであった。 アンはヘレンの楽屋へ行くとき、舞台で駈け出しの若いタレント、ニーリー・オハラがリハーサルをしているのを見た。 ニーリーは歌手である。 ヘレン・ローソンは、きわめて気位の高い、口ぎたない激しい気性の女である。ヘレンは、 そこに現われたプロデューサーに、ニーリーをキャストから外さなければ出演契約を結ばないといきまいた。 彼女は舞台でニー |
リーに食われるのを恐れたのである。芸能界の冷酷な面を初めて見せつけられたアンが驚くと、
傍にいたベラミーの補佐役をしているライアン・バークは、そこがショー・ビジネスの
面白いところだと云った。
ライアンはイギリス生れのハンサムな独身者である。
ヘレン・ローソン・ショーのキャストから下ろされたニーリーは憤慨したが、彼女の恋人で、
宣伝屋をしているメル・アンダーソンになだめられ一応おさまった。その夜、アンはニーリーをあるTV局へ連れて行った。
そこの人気番組バライティ・ショーに彼女を出演させるためで、ライアンがお膳立してあったのである。
これは二ーリーの大ヒットとなった。
華々しく売り出したニーリーの祝賀会があるナイトクラブで開かれたとき、ライアンはアンを、 メルはニーリー同伴で出席した。二ーリーは、今ここのショーに出ている人気歌手卜二−・ポーラーの契約が切れたら そのあとに出演することになっていた。トニーは、やがて舞台から客の中にニーリーの友だちで、 ヘレン・ローソン・ショーに出ているジェニファ・ノースのグラマラスな姿を見つけた。 その後、アンはライアンとデイトを重ねる仲となった。もっともライアンは結婚して身を固めるタイプの男ではなかった。 この2人は、ヘレン・ローソン・ショーの試演のためニュー・ヘブンに出かけたとき、肉体的に結ばれた。 アンの母親が急死して、彼女がローレンスビルに帰ると、ライアンもあとから追って来た。 ライアンは美しい田舎の町が気に入り、ショー・ビジネスから足を洗い、アンと一緒に暮らしたいと言い出した。 だが、アンはそれに賛成する意志を示さなかったので、ライアンは、その翌日、 イギリスへ帰って作家として再出発すると置手紙をして立ち去った。・・・ (123分) |