女優志願

<Stage Struck>  (58年)

<スタッフ>
製作
 監督
原作(戯曲)
 脚色
撮影

音楽
衣装

<キャスト>
ルイス・イーストン(プロデューサー)
エヴァ・ラヴレイス(舞台志願の娘)
リタ・ヴァノン(傲慢な人気女優)
ジョ・シェリダン(若い劇作家)
ロバート・ヘッジス(老練舞台俳優)
ベッティ(イーストンの秘書)


スチュアート・ミラー
シドニイ・ルメット
ゾオ・エイキンス
ルイ・オーガスタ・ゲーツ
フランツ・プランナー
モーリス・ハーツバンド
アレックス・ノース
モッス・メイプリイ


ヘンリイ・フォンダ
スーザン・ストラスバーグ
ジョーン・グリーンウッド
クリストファ・プラマ一
ハーバート・マーシャル
サリー・グレイシイ

 最近のアメリカ映画は撮影所内のセット撮影を極力避けて物語の背景になる現地で撮影をする傾 向が強くなっている。この「女優志願」は物語の背景になっている紐育のブロードウェイにロケー ションを行い、アメリカ演劇界の中心地のふん囲気を余す所なく捉えた話題の超特作である。然も 撮影編輯等製作過程の総てが紐育市のプロダクション・センターで行われた純然たる紐育製の初の 色彩刺映画として注目を浴びている。
 演劇につかれ舞台にあこがれるうら若い乙女の体あたり売り込みから万雷の拍手の中をあこがれ の檜舞台に躍り出る浮沈と苦悩の演劇生活を、華やかで冷たい演劇界を背景に、美しい情感と温かい 血の通うタッチで描いたこの映画は主演女優として驚異の天才ハイ・ティーン女使スーザン・スト ラスパーグを得て一段と光輝を増している。
 ブロードウェイの最も優秀な俳優養成所アクターズ・スチュディオを主宰する名ドラマ・コーチ、 リー・ストラスパーグ夫妻の愛嬢として演利家庭に育ち、舞台劇「アンネの日記」に主演して圧倒的 に激賞された人気舞台女優スーザン・ストラスバーグを主演に迎えた『女優志願』こそ、まさに映 画界最大最高の好適役映画であろう。
 演劇という独特な世界を題材にしたこの映画のいま一つの話題はスーザン・ストラスバーグを 助けて登場する人々総てが演劇のベテランで固められている事である。 映画のみならず演劇界に活躍するヘンリイ・フォンダ、舞台の逸材でこれが映画デビューの クリストファ・プラマー、英国演劇界のベテラン女優ジョーン・グリーンウッド、 舞台と映画に活躍しているハーバート・マーシャル(剃刀の刃)、約100名に及ぶその他の人々も ブロードウェイ関係者でかためられている。
 監督は「十二人の怒れる男」でアカデミー監督賞候補に指名された演劇界の 新進俊英シドニイ・ルメットが起

用されている。
 製作は傑作 "YOUNG STRANGER" (日本未公開)を発表した28才の俊才オスチュアート・ミラー。 原作はゾオ・エイキンスの戯曲。脚色は「ラプソディ」のルス・ゲーツ、オーガスタ・ゲーツ夫妻。 音楽は「雨を降らす男」のアレックス・ノース。撮影は「山」の名手フランツ・プランナー。


 <物語>  田舎のハイ・スクール時代から学生演劇に熱中していたエプァ・ラヴレイスは、 舞台人のメッカ、紐育のブロードウェイにあこがれて頼る人とて居ない大都会に単身出て来たが、 そんな彼女に都会の風は冷たかった。
 ブロードウェイのプロデューサーや俳優周旋屋の門を叩いて廻ったが何処へ行っても門前払いを 食うのが関の山だった。挙句の果て新作の公演を眼の前にして多忙を極める有名なプロデーサー 、ルイス・イーストンの事務所に押しかけて行った。多忙の侭にイーストンは心臓の強い田舎娘の エヴァをいつもの演劇狂いの娘達と同類と考えて会おうとしなかったが、エヴァはもう此所が 最後と必死になってしつこく粘った。そして居合せた名舞台俳摩ロバート・ヘッジスと 新鋭劇作家ジョ・シェリダンの同情をひき、シェリダンの取りなしでどうにか採用テストを受ける 機会を与えられた。
 学生演劇しか経鹸のないエヴァはすっかり上ってしまい台辞のテストの最中に途方もない 調子はずれの声を出して折角のシェリダンの好意を無にしてしまった。
それきりエヴァは彼等の前から姿を隠してしまった。シェリダンはエヴァの消息が気になるごとも あったが新しい戯曲の上演準備に迫われていつしか忘れてしまった。
・・・   (95分)

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