スペンサーの山

<Spencer's Mountain>   (63年)

<スタッフ>
製作・監督
原作
脚本
撮影
美術
音楽
編集

<キャスト>
クレイ・スペンサー
オリビア(妻)
クレイボーイ(長男)
グッドマン牧師
クラリス
ゼベロン・スペンサー(祖父)

デルマー・デビス
アール・ハムナー・JR
デルマー・デビス
チャールス・ロートソ・JR
カール・アンダーソン
マックス・スタイナー
デビッド・ウェジス


ヘンリー・フォンダ
モーリン・オハラ
ジェームス・マッカーサー
ウォーリー・コックス
ミムシー・ファーマー
ドナルド・クリスプ
 自然の美しさは、アメリカ随一と言われている、ワイオミングの風光明媚な大森林と、 その美しき山々を背景に、そこに住む心暖かき人々を中心に展開する、詩情あふるる感動篇で、 「避貴地の出来事」「二〇才の火遊び」「恋愛専科」で、そのトレードマークともいうべき オール・ロケの素晴らしきテクニックを身につけた名匠デルマー・デビスが、 ここに最良の場所を得て、自信をもって描くヒューマニズム・ドラマで、 出演は「ミスター・ロバーツ」「十二人の怒れる男」「怒りの葡萄」などの名優ヘンリー・フォンダが 愛すべき父親として好演している他、「静かなる男」「罠にかゝったパパとママ」「H氏のバケーション」等で、 近来心境著しいモーリン・オハラが共演、「南海漂流」「インターン」でこれ又好青年を見事に演じ切って 人気上昇中のジェームス・マッカァサー、「恋愛専科」で華しくデビューしたスザンヌ・プレシェットに次ぐ、 美貌の新星ミムシィ・ファーマーを再びデルマー・デビス監督はこの作品で魅力的に登場させている他、 助演者には「ステート・フェア」のウォーリー・コックス、「フランダースの犬」のドナルド・クリスプ等 名脇役をそろえた名作で、カメラは「恋愛専科」のローマ・ロケでその卓抜した技術と、 その才能をいかんなく発揮した名手チャールス・ロートン・ジュニアが再び恰好な景勝地を得て 流麗なカメラ・ワークを示している。
 音楽はこれ又「恋愛専科」や他のデビス監督作品で見事なコンビぶりをみせている抒情的ムード派の 巨匠マックス・スタイナーが、又々素晴らしい曲を聞かせている。スペンサーという一家と、 それを取りまく人々の人間愛を香り高く唄いあげた、ヒューマニズム・ドラマの傑作である。
 <梗概>  ゼベロン・スペンサーの父が、スペンサーの山に入植したのは百年以上も前の事である。 そしてスペンサー家には9人の男の子が生まれた。
 子供達が皆んな大きくなって結婚すると、ゼベロンは9人に土地を公平に分け与えた。 子供達の多くは土地を売り払ってよそへ移り、今ここに住んでいるのはクレイだけである。 彼の妻のオリビアの間には、長男のクレイボーイはじめ9人の子供がある。
 クレイボーイは他の子と違って勉強好きなので、間もなく高校を卒業するのであるが、 スペンサー家の男の子でこれだけの教育を受けた者は1人もなかった。皆んな途中で学校をやめて、 石切場や工場で働いている。クレイもオリビアも学問好きの息子が大の自慢である。 クレイも若い頃は大変な乱暴者であったが、オリビアと結婚してからはがらりと人が変って女房思いの良いパパになった。 ただひとつだけどうしてもオリビアと意見が合わないことがある。オリビアは非常に信心深い女であるが、 クレイは神様はどこにでもいると言って教会へ行こうとしない。
 クレイは20年も前から、スペンサーの山の頂上に夢の家を建てると言っている。 だが金がないので実現出来ない。石切工としては彼に及ぶ者はないが、それでも収入は少ないのだ。 クレイは口ばかりでなく実際に建築を始める決心をし、電気のこぎりを買う為に、 銀行からありったけの預金16ドルを下ろした。オリビアはこの金でクレイボーイの卒業祝いの指環を買うつもりでいたのだった。 そこでクレイは指環の金をかせぐ為に進んで残業をした。 一方では子供達に手伝ってもらって夢の家の基礎工事にとりかかった。 ・・・  (118分)

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