ねずみの競走<The Rat Race> (60年) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作・脚色 撮影 美術 音楽 編集 <キャスト> ピート・ハモンド ペギー・ブラウン マック |
ウィリアム・パールバーグ ジョージ・シートン ロバート・マリガン ガースン・ケニン ロバート・バークス タンビ・ラーセン エルマー・バーンステイン アルマ・マクロリー トニー・カーチス デビー・レイノルズ ジャック・オーキー |
ミルウォーキーから、こさニュヨークヘ、成功を歩みてポッと出て来たサキソフォン吹きと、
これも舞踊家として立つ機会を5年間も求めながら与えられず、ヤケに落ちようとしている娘が、
いかに大都会の悪徳の中で、もまれ、だまされ、足蹴にされたかを描いた、
ガアスン・ケニン(二重生活)の当り舞台劇をケニン自身が脚色した作品。
製作は、「トコリの橋」「誇りと冒涜」「春の珍事」など数々のバラマウソト配給作品で、 おなじみのウィリアム・パールバーグとジョージ・シートンのチーム。監督は、NBCの テレビ劇の演出をしていた新人ロバート・マリガン。 主演は、「手錠のまゝの脱獄」「お熱いのがお好き」「ペティコート作戦」と好調を続ける トニー・カーティスに、エディー・フィッシァアと離婚以来人気上昇のデピー・レイノルズ(年頃ですモノ!、 それはキッスで始まった)の2人。 カーティスは、もちろんポッと出の田舎青年のタイプではなく、小都会のジャズマンらしい 気のきいた言葉と頭を持っている青年だが、生き馬の目を抜くニューヨークでは、 全然カモにされるおかしさが、一つの魅力になっている。デピー・レイノルズは、 意地だけで堕落のふちにしがみついている女を好演する。 助演は、久しぶりのジャック・オーキー(独裁者)で、物分りのいい酒場の主人に扮する。 主人公の2人が結局見つけたのは愛情だったという、いく分古めかしい物諮を、 脚本は、喜劇的な洒落たセリフで、新鮮な味をつけている。 | <梗概>
楽士のピート・ハモンドは野心にもえてニュー・ヨークに出てきた。大都会の雑トウに迷ったすえ、
ピートが入った所は、マックのバーだった。ピートはマックに教えられて、ある安下宿におちつくことになった。
下宿の部屋は、ペギー・ブラウンという若い娘が借りていた部屋で、ペギーが部屋代をため込んだため、 おかみのソーダに追い出されたところだった。 ピートは、ペギ一に同情して、カーテンで部屋を仕切って、2人で共同で使うことにした。 ところが、ペギーのところへあやしげな男がたずねてきたり、ダンス・ホールの経営者ネリーから 妙な電話がかかってきたりした。ペギーはたまった部屋代を支払うためにネリーの所で働いていたのだ。 ピートはなかなかチャンスがつかめなかったが、やっと6ヶ月の南米航路の客船のバンドの 口があったのに、おなじ楽士仲間に楽器を盗まれて、せっかくのチャンスがふいになりそうになった。 ペギーは気の毒に思い、ネリーから金を借りて、ピートに楽器を与えた。ピートは巡業から帰ったら、 金を返すことにして、南米へ出発した。 ピートの留守の間、ネリーはしつこくペギーにつきまとった。しかし、 ペギーはいつもネリーの要求をはねのけていた。腹をたてたネリーは、ペギーをホールのオフィスに つれこんで、服をひきさくなど乱暴を働いた。ペギーはくやしくて、胸をしめつけられる思いだったが、 金を借りている弱みがあるため、どうすることもできなかった。・・・ (75分) |