ライムライト

<Limelight>  (52年)

<スタッフ>
製作
 監督
脚本
撮影
美術
音楽


編集

<キャスト>
カルヴェロ(ミュージックホールの喜劇役者)
テリイ(バレーの踊り子)
ネヴィール(作曲家)
道化(クラウン)
道化
道化
カルヴェロの相手役


チャールズ・チャップリン
チャールズ・チャップリン
チャールズ・チャップリン
カール・ストラウス
ユウジイン・ロウリイ
チャールズ・チャップリン
ラリー・ラッセル
レイモンド・ラッシュ
ジョー・インジ



チャールズ・チャップリン
クレア・ブルーム
シドニイ・チャップリン
チャールズ・チャップリン
チャールズ・チャップリンJr.
フィーラー・トライデン
バスター・キートン
 「ライムライト」は、先頃わが国で封切された「殺人狂時代」に次いで、1952年末に発売されたばかりの チャップリンの最新作である。「殺人往時代」は1947年の製作であるから、この間に6年たつている訳である。
 昨年末、紐育・ロンドン・巴里などで公開されて、絶賛を浴びたこの作品は、 チャップリンの生涯を通じて最良の作品の一つに数えられるものではないかとの評判がある。
 物語は、落魄の道をたどるミュウジック・ホールの喜劇俳優を主人公に描いたもので、本来ななばドラマに属するものであるが、 チャップリンはその偉大な喜劇的才能を生かして、主題のなかに希望と実際的な楽観主義の光りをさしそえている。 それと同時に、「ライムライト」のなかには、喜劇・悲劇・ロマンス・音楽・踊りと、劇場的なあらゆる要素が含められているのである。
 チャップリン映画はいつもそうではあるが、今度も製作スタッフを見ると、まるでチャップリンの名前の 羅列である。スタアもチャールス・チャップリン。原作、脚本がチャールス・チャップリン。 製作者チャールス・チャップリン。監督チャールス・チャップリン。 作曲・作歌・チャールス・チャップリン。バレーの脚本・振付チャールス・チャップリン といった工合いである。
 このように自分の映画に対するチャップリンの献身というものは大変なもので、恐らく 出来ることなら助演も全部自分でやりたいことだろうと思われるほど、何でも自分でやらなければ 気がすまないのである。そのため、助演者の選択は、慎重を極めるのである。
 こうして選ばれた人々が、「ライムライト」の主な出演者たちである。相手役の主演女優は、 21才の美しい英国女優クレア・ブルーム。チャップリンの息子の一人、シドニイ・チャップリンは、 この映画のなかでブルーム嬢の
愛を皮肉にも父のチャップリンと相争う若い作曲家に扮している。 ロンドンのミュージック・ホールの劇場主としてナイジェル・ブルース、 舞台監督としてノーマン・ロイドが出演。サイレント映画時代の名喜劇俳優で、 「サンセット大通り」にもちよっと顔を出していたバスター・キートンが、チャップリンと一緒に、 この映画での見せ場であるアクロバティックな喜劇の場面に出ている。 紐育で人気のあるバレーの踊り手、メリッサ・ハイドンとアンドレ・エグレフスキーとが、 チャップリンの創作した映画中のバレー「コロンパインの死」で、チャップリンと一緒に 踊つている。

 <物語> カルヴェロは、ミュウジック・ホールの喜劇役者だつた。彼は、英国でも最大の人気者といわれたこと があつたが、 今ではすつかり人気も落ちてしまい、そんなことは芸界の語り草になつているばかりだつた。
 いつものように酔っばらって下宿へ帰つて来た彼は、一人の美しい女性が彼女の部屋のベットで意識不明になつているのを発見した。 女は自殺を企てたのだつた。さすがにカルヴェエロはおどろいて下宿をとび出し医師を連れて帰つて来た。
 医者の助けをかりて、その娘をとりあえずカルヴェロの部屋へ移し、そこで医者が手当てをした結果、娘はようやく息をふきかえした。
 下宿の内儀は、娘が自殺を計つたということで大変腹を立て追い立てを喰わせたが、カルヴェロは女を憐れに思い恢復すろまで自分の部屋に置いてやることにした。
 娘ほテリイというバレーの踊り子だつたが、自分の芸術をすっかりあきらめようとしていた。 そのため絶望のあげく、生きることもいやになったというのである。
・・・    (137分)

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