再 会

<Fraulein> (58年)

<スタッフ>
製作
監督
脚本
原作
撮影
美術

音楽

<キャスト>
エリカ・アンガーマン
フォスター・マクレーン
ロリ
バーディー・ダビン中尉
ドミトリ

ワルター・ライシュ
ヘンリー・コスター
レオ・タウンゼンド
ジェームズ・マクガヴァン
レオ・トーヴァー
ライル・R・ウィラー
リーランド・フラー
ダニエル・アンフィシアトロフ


ダナ・ウィンター
メル・ファーラー
ドロレス・マイケルズ
マギー・ヘイズ
セオドア・バイケル
 敗戦ドイツが生んだ不運な若い女性が生きんがために歩いた哀しみの道を描く、 この心あたたまる作品は、1956年に出版されたジュームース・マクガバンのベストセラ−小説 「令嬢」の映画化で、「白い羽根」のレオン・タウンセンドが脚色し、「美わしき思い出」 「あの日あのとき」の名匠ヘンリー・コスターが演出した。ヘンリー・コスターは 1905年ベルリンに生れ、脚本家として映画人りし、ドイツの撮影所で働き、後に監督となり、 オーストリア、オランダ、ドイツで作品を出した。
 1933年、ヒットラーがドイツの政権をとってからコスターはパリヘ行き、36年に渡米し、 ユニバーサルで「天使の楽園」を初め「オーケストラの少女」「庭の千草」等 ディアナ・タービン主演の名演を作ったが、戦後も「幸福の森」「星は輝く」「人生模様」 「聖衣」等すぐれた作品を数多く出している。
 製作は脚本家出身のウォルター・ライシュであるが、ライシュは1903年、 オーストリアの首府ウィーン生れで脚本家としてドイツ、イギリス映画を経てアメリカ映画界に入った。 彼が最近書いた脚本では53年にアカデミー賞を得た「タイタニック」や「ナイアガラ」等名作がある。 製作に初めて手を染めたのは57年に日本で撮影した STOPOVER TOKYO である。 音楽は、「向う見ずの男」のダニエル・アンフィシアトロフで、撮影は 「陽はまた昇る」の レオ・トーバーである。
 なおこの映画はドイツでロケされたもので、有名なラインの流れと、その流域の美しい景観が カメラにおさめられている。
 主演者は「あの日あのとき」で初めて紹介されたロンドン生れのダナ・ウィンター、 「戦争と平和」「葡萄の季節」「陽はまた昇る」のメル・ファラー、 「気まぐれバス」で初めてお目見えしたドロレス・マイケルズで、これ等を助けて「恐怖の土曜日」 「暴力教室」のマギー・ヘイズ、「眼下の敵」のシオダー・ピケル、「嵐を呼ぶ太鼓」のルイス・バン・ルーチン、 「戦争と平和」のヘルムト・ダンティン、黒人俳優で最近ユニバーサル社で脚本を書いていた ジェームス・エドワーズ等が出演している。
 <物語>  終戦間近かに、ドイツ軍の捕虜になっていたアメリカのマクレーン大尉が護送車 に乗せられてライン沿岸のコロンの町を通過したとき、連合軍の爆撃に遭遇する。 このとき、空襲のドサクサまぎれに隙をうかがい脱走をくわだてたマクレーン大尉は、 爆撃でこわされたある家に逃げこむ。そこはコロン大学でギリシャ語を教える ジュリアス・アンガーマン教授とその令嬢エリカの住居であった。
 アンガーマン教授は戦争を呪い、来たるべき平和に希望をよせている。 彼はマクレーン大尉が教養ある男であるとわかると急に彼の立場に同情をよせ、 無事に逃がしてやろうと考えはじめる。娘のエリカは後難を恐れてマクレーン大尉を 庇護することに反対したが、やがてドイツ兵が家探しに来たとき、彼を浴室に隠し、危いところを助けてやる。 暗くなってからマクレーン大尉はアンガーマン家を出たが、出がけに彼は教授にレインコートを恵まれる。 大尉か立去ると、第二回目の空襲があり、教授はその犠牲となる。
 父親を失ったエリカはカール叔父をたずねてベルリンへ行く。 エリカには出征した許婚ヒューゴーがある。彼女はもう2年も彼に会わない。 彼は右腕に負傷してベルリンの陸軍病院に入っているということであった。 親切なカール叔父の家に身を寄せたエリカはベルリンの東部地区にあるというヒューゴーの病院を訪ねようとしたが、 そこはすでに戦闘区域になっていたので入ることができなかった。 カール叔父の家にはグラウバッハ夫妻が同居していたが、この2人は和己主義の性の良からぬ人物であった。
 エリカがヒューゴーに遂に会えないうちにべルリンは陥落した。 最初に入城したのはソ連軍で、カール叔父の家もソ連兵の宿舎となる。 それを知ったカール叔父はエリカの身に間違いがあってはならぬと考え、 彼女を屋根裏に隠す。
 カール叔父の家へ入り込んで来たソ連兵は飲めやうたえやの騒ぎをはじめたが、 その中の一人の酔った伍長がグラウバッハの妻に手を出そうとすると ・・・(95分)

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