連邦警察

<The FBI Story>   (59年)

<スタッフ>
製作・監督
原作
脚色

撮影
美術
音楽
編集

<キャスト>
チップ・ハーデスティ
ルーシー・バラード
サム・グランデル
ジョージ・クランデル
ジャック・グラハム

マービン・ルロイ
ドン・ホワイトヘッド
ジョン・ツイスト
リチャード・ブリーン
ジョセフ・ビロック
ジョン・ペックマン
マックス・スタイナー
フィリップ・アンダーソン


ジェイムス・スチュアート
ヴェラ・マイルズ
マレイ・ハミルトン
ラリー・ペネル
ニック・アダムス
 この映画は「FBIストーリー」の一番興味深い挿話をいくつか抜き出して映画化したもので、 一人の典型的な若い連邦検察局員の活動と、彼の個人生活と平行して、1924年、 当時ほとんど世人に知られていなかった一機関が、如何にして今日のような大組織に発展したか、 その悪戦苦斗の過程が示されており、ギャング史上に名高いジョン・デリンジャー、 「プリティ・ボーイ」フロイド、「ベビー・フェイス」ネルソン、「機関銃」ケリイなどの 兇悪無類のギャングらとの戦い、オクラハマのオーセジ・インデアン事件、 南部のテロ秘密結社クウ・クラックス・クラン事件、戦事中は南米でのナチ・スパイ活動をさぐり、 戦後は共産党のスパイ摘発といった多くのエピソードが、この映画の骨子を形成している。
 製作、監督は、1931年、アル・カポネをモデルにした「犯罪王リコ」を作って、 アメリカ映画にギャング映画時代を開始し、今尚ハリウッドの第一線監督として油の乗りきった名匠 マービン・ルロイが当ったが、ルロイはFBIの扱った歴史的の数々の事件に、 一検察局長の家庭生活における人間的な悲哀をからませ、スピーディなタッチで描写し、             ノー 物語を一層生彩のあるものにした。
 脚色はハリウッドの第一線作家ジョン・ツイストとリチャード・ブリーンの3人が担当、 撮影監督を「黄昏に帰れ」の才腕ジョセフ・ビロック、特筆に価する事は「マッコーネル物語」 「特攻決死隊」等で勇壮活達なマーチを送りこみ、三個のオスカー・ホルダーである 鬼オマックス・スタイナーが主題歌である「FBI讃歌」をアル・スティルマンの作詞を得て、 バラード風の美しいメロデーを全篇に流している事である。
 主演は「フィラデルフィア物語」でアカデミー賞を得、「翼よあれが巴里の灯だ」「めまい」と 好調を続けるジェイムス・スチュアート、「捜索者」「間違えられた男」の明眸ヴェラ・マイルズで、 このコンビに最近売出しの「ロケット・パイロット」「特攻決死隊」などに出演している好漢 マレイ・ハミルトン、数年前まで大リーグのミルウォーキ・ブレーブスでプロ野球選手として活躍していた 6尺豊かなラリー・ペネル、「友情ある説得」のダイアン・ジャーゲンス、 レコード歌手から抜擢きれたイリノイ州テイラービル出身の新人ジョイス・テイラー、 テイラーは彼女の生地テイラービルからとったものである。
 <梗概>  1924年、テネシー州ノックスビルの連邦検察局事務所にいたチップ・ハーデスティ、 サム・クランデル、ハリー・ダキンスの3人は、新任の連邦検察局長官からワシントンへの出張命令を受けた。 ワシントンへ発つ前に、チップは検察局をやめるという条件で美しい図書館員のルーシィ・バラードと結婚した。 新任のFBI長官は、J・エドガー・フ−バーである。 フーバーはFBIを能率化し、政治の介入を許さないようにすると言う。 新長官に心服したチップは、ルーシーに辞職はしないと告げた。
 チップの次の仕事は北部ルイジアナで白人の秘密結社クウ・クラックス・クランの暴行を止めることであった。 白いローブをまとってクウ・クラックス・クラン団員に変装したチップとサムは計画されていた 新開編集長の殺害を未然に防いだ。殺人を企てたクラン団長たちは州兵に逮捕された。
 つぎの数年間、チップは妻子を連れて幾つもの州を転々と渡り歩いた。オクラホマ州のフェアファツクスの 政府指定保留地でインディアンが殺された。チップは家畜商人を装って他のFBIの局員たちと共に現地に乗りこんだ。 彼は証拠を集めて銀行の頭取が一連の殺人事件の黒幕であることを突きとめた。頭取は石油がでるインディアンの 土地を手に入れようと企んでいたのであった。
 つぎにチップは「プリティ・ボーイ」フロイド、ジョン・デリンジャー、「ベビー′・フェイス」 ネルソンらのギャングが暗躍していた中西部へ転任した。チップ達はギャングの追跡や監視で一日18時間も勤務し、 休日さえとれないことがあった。何名かのFBIの局員がギャングによって殺された。その事からルーシーは、 FBIが暗黒街に対して全面的な戦いを開始したことを知った。
 四月のある夜、チップらは、ウィスコンシンのスパイダー・レークで「ベビー・フェイス」ネルソンを追い詰めた。 しかしネルソンはクランデルを殺して逃走した。FBIは赤いドレスの女の密告によって、シカゴの劇場の外で ジョン・デリンジャーを射殺した。オハイオの農場では「プリティ・ボーイ」フロイドが殺された。
 毎日、夫の身を案じて暮していたルーシーは遂に緊態にたえられなくなって、子供を連れてノックスビルの 実家へ帰ってしまった。・・・  (149分)

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