紐育秘密結社<New York Confidential> (55年) |
||
<スタッフ> 製作 監督 撮影 音楽 <キャスト> チャールズ・ルーポ ニック・マジェラン アイリス・パーマー キャスリン・ルーポ |
クラレンス・グリーン ラッセル・ラウス エドワード・フィッツジェラルド ジョーゼフ・マレンドア ブロデリック・クロフォード リチャード・コンテ マリリン・マクスウェル アン・バンクロフト |
クラレンス・グリーン(製作)とラッセル・ラウス(監督)のコンビは、「都会の牙」
「井戸」「泥棒」(本邦未公開)など、都会的背景をもった異色あるドラマを次々と世に問開い、
ハリウッド映画界の注目を沿びているが「紐育秘密結社」は、このコンビが独立プロデューサー、
エドワード・スモールのために製作した1955年度作品で、犯罪都市ニューヨークの
暗黒街に実在する恐るべき暴力組織の実態を生々しく描き出しており、全米に異色な
センセーションをまき起こした。
脚本は、ペスト・セラーとなった2人の有名な新聞記者のルポルタージュに取材して グリーンとラウスの両名が事きおろしたもので、実際ニューヨーク街頭にロケを行い、 リアリズムを盛上げている。 主演ほ「すべ王の家来」(本邦未公開)でアカデミー賞を取った名優フロドリック・クロフォード、 「都会の叫び」「出獄」などのフォックスの犯罪映画に特異な風貌で人気を博した リチャード・コンテ、「チャンピオン」などで強烈な印象を残した金髪美人女擾 マリリン・マクスウェル、テレビから映画入りして売り出し、「シャロンの屠殺者」にも 出演していた新星アン・バンクロフトの4人で、助演陣にもJ・キャロ−ル・ナイシュ、 バリー・ケリー、マイク・マザーキネスター・バイヴァなどの老巧な演技陣を揃えている。 特異な物語と異常な雰囲気描写で、ぎりぎりと迫力を盛り上げて行く、 犯罪映画の新しい型として注目されるべき作品である。 | <物語>
世界経済の中心といわれるニュ−ヨークは同時に全米にわたる犯罪網の中心でもある。
そこには数百万の善良な市民のかげに、悪の世界に暗躍する少数の人間たちの組織がある。
豪華な服に身を包み、合法的な商事会社の仮面の下に、麻薬、賭博、密輸、 歓楽街の利権などをめぐる暴利をむさぼり、目的のためには手段を選ばず脅喝、 殺人等の暴力行為をほしいままにする恐るべき死の死の商人たちの組合――それが紐育秘密結社である。 アンドラドという男が組合の掟を破ったとき、頭領のルーポは、組合の一員で シカゴのボスであるアキリーズから一の子分ニック・マジェランを借りて、 アンドラド抹殺の任務を与えた。大胆不敵の面魂のうちに氷のような冷たさを秘めたニックは、 得意の消音拳銃に物を云わせ、鮮やかにこの任務を果した。その仕事ぶりに惚れこんだルーポは アキリーズから彼を貰いうけ、我が子のように面倒を見た。 ルーポの情婦のアイリスは多情な女で、ニックの不敵さに心をひかれて彼を誘惑しようとしたが、 やくざの仁義を重んじるニックは心を動かそうとしなかった。 ルーポがアンドラドの身内に射たれて負傷したとき、ニックは彼の身辺の警護を 命じられ、その娘のキャシーを知つた。彼女は父の非行を嫌っていたが、そのために恋人からも 棄てられ、失意のあまりに家を飛び出した。 娘を異常なまでに愛していたルーポに、これは大きな痛手だった。 ・・・ (87分) |