シンシナティ・キッド<The Cincinnati Kid> (65年) |
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<スタッフ> 製作 監督 原作(小説) 脚色 撮影 美術 音楽 <キャスト> シンシナティ・キッド ランンシー・ホッジス メルバ シューター クリスチャン レディ・フィンガーズ ウィリアム・J・スレイド ホーバン |
マーティン・ランソホフ ノーマン・ジューイソン リチャード・ジェサップ リング・ラードナー・ジュニア テリー・サザーン フィル・ラスロップ エド・カーファグノ ラロ・シフリン スティーブ・マックイーン エドワード・G・ロビンソン アン・マーグレット カール・マルデン チューズデイ・ウェルド ジョーン・プロンデル リプ・トーン ジェフ・コーリー |
年は若いが、無類の勘と度胸で、ミシシッピ河流域一帯に、
シンシナティ・キッドの異名をはせるポーカーの勝負師が、30年間にわたるタイトル保持者に挑戦する、
名人位をかけての、頭脳と運と技術の死斗をクライマックスに、興奮と緊張に貫かれた、
冷く孤独な勝負の世界を、鋭いタッチで描く問題作である。
ストーリーは、リチャード・ジェップの同名小説で、リング・ラードナー・ジュニアと、 「博士の異常な愛情」のテリー・サザーンが脚色に協力、「スリルのすべて」「恋するパリジェンヌ」などの、 テレビ畑からの新鋭ノーマン・ジェイソンが監督した。 撮影は、物語の舞台であるニューオーリンズで行われ、「36時間」「フロリダ万才」などの フィル・ラスロップが監督に当った。 音楽は「危険がいっぱい」「泥棒を消せ」などのラロ・シフリンで、 スティーブ・マックイーン、アン・マーグレット、チューズデイ・ウェルドを 表徴する三つのテーマが組み込まれている。 美術は「不思議な世界の物語」「ラスベガス万才」などのエドワード・カーファグノ、 装置は「フロリダ万才」「渇いた太陽」などのヒユー・ハントで、「ラスベガス万才」「暴行」などの ドン・フェルドが衣装デザインに当った。 主な出演者は、ハリウッドのポーカー・フェイスと云われる「ハイウェイ」「大脱走」などの スティーブ・マックイーンをはじめ、「シャイアン」「逆転」などのエドワード・G・ロビンソン、 「泥棒を消せ」「ラスベガス万才」などのアン・マーグレット、「シャイアン」「翼のリズム」などのカール・マルデン、 「テスト・ハネムーン」「雨の中の兵隊」などのチューズデイ・ウェルド、「渇いた太陽」 「キング・オブ・キングス」などのリプ・トーン、「うしろへ突撃」のジョーン・ブロンデル、 「泥棒を消せ」のジェフ・コーリーらが演技を競い。 「いそしぎ」「卑怯者の勲章」など、意欲的なは活躍を続けるマーティン・ランソホフが製作に当った。 | <梗概>
その頃、シンシナティ・キッドは、ニューオーリンズにいた。
まだ若いが、ミシシッピ河流域一帯のポーカー仲間では、無類の敏腕と知られる、渡り者の賭博師だ。
ニューオーリンズは、この地方切っての都会だが、キッドは、最近、ここの小さな賭け金かせぎに嫌気がさし、 大金が動くマイアミで、思い切った勝負をしてみたい気持になっていた。 折も折、ポーカーで長年名人位を保持している老勝負師ランシー・ホッジスが、何の前触れもなく、 ひょっこりこの町に現われた。 退屈していたキッドの血が、いっペんに沸き立った。いつかはこの名人と手合わせをしてみたいとの、 日頃の念願を果たすまたとない機会と考えたのだ。 そして、さっそく、その意向をランシーに取り次いでくれと、この社会の長老格であるシューターに頼んだ。 シューターは、公平なカードの配り手として自他ともに許しているが、かつては血気の勝負師だった。 何年もの間、名人ランシーを相手に、身も魂もすりへらした頃の、苦しい経験を思い出しながら、 キッドの自信過剰をたしなめたが、思いつめた若者には通じるはずがなかった。 そこで、シューターは、土地の大金持で醸造家のウィリアム・J・スレイドの、 ランシーを招いてのゲームの卓に、自分が主催することになっているのを幸い、その席上、 キッドとの手合せを、名人に申出ることにした。 キッドにはクリスチャン・クレイジーという情婦があった。彼女は、田舎娘で、 町の食堂の給仕をしていて彼と知り合い、旅から旅への根なし草の生活を分け合っていたが、 カードのことには一切係わらなかった。これが賭博師の女の、暗黙のルールだった。 クリスチャンは、心底からキッドを愛した。2人の仲はいたって、むつまじかったが、 彼女はもっと安定した生活、家庭そして子供たちを欲した。しかし・・・(102分) |