大海賊<The Buccaneer> (58年) |
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<スタッフ> 総指揮 製作 監督 脚色 撮影 美術 音楽 編集 <キャスト> ジャン・ラフィット アンドリュー・ジャクスン将軍 ドミニク・ユー ポニー・ブラウン アネット・クレイボーン エズラ・ピーピー クレイポーン総督 ハイク |
セシル・B・デミル ヘンリー・ウィルコクスン アンソニー・クイン ジェシー・L・ラスキーJr他 ロイヤル・グリグス ハル・ベリーラ他 エルマー・バーンステイン アーチー・マーシュク ユル・ブリナー チャールトン・ヘストン シャルル・ボワイエ クレア・ブルーム インガー・スティーブンス ヘンリー・ハル E・G・マーシャル ジョージ・マシューズ |
映画史上空前の巨篇「十戒」を完成したセシル・B・デミルがつづいて企画した
雄大なスケールをほこる大作。アメリカの歴史に残る1815年1月8日のニュー・オリーンズの
戦いをクライマックスにおき、バイロン郷の詩に勇名をつたえられている
海賊ラフィットと戦国の武将を思わせるジヤクスン将軍を縦横に活躍きせたスリルと
アクションの蒙華篇である。
プロデューサーは永年セシル・B・デミルを補佐して「サムソンとデリラ」 「地上最大のショー」「十戒」の製作にたずさわったヘンリー・ウィルコクスン。 デミルの婿にあたるアンソニー・クインの監督としての第1回作品であることも話題の一つ。 撮影監督に「シェーン」「十戒」の製作にたアカデミー賞カメラマン、ロイヤル・グリグス、 音楽に「黄金の腕」「十戒」のエルマー・バーンステイン、そのほかあらゆる部門に 一流スタッフをそろえていて、さすがにデミルの息のかかっている作品であることを感じさせる。 主役は「十戒しにつづくユル・ブリナー、へ「カラマゾフの兄弟」「追想」)と チャールトン・ヘストン(「大いなる西部」「地上最大のショー」)の名コンビの顔合わせ。 この2人を助けて、「ライムライト」「リチャード三世」「カラマゾフの兄弟」 のイギリスの名花クレア・ブルーム、「殿方ご免遊ばせ」「女優ナナ」「再会」のフランスの 名優シャルル・ポワイエ、「針なき時計」に出ていたスエーテンの新人女健インガー・ステ イーブンスなど、多彩な助演陣も興味がある。 重要な役だけで55、エキストラ1万2千人、セット、小道具その他の撮影準備に1ヵ年、 小道具の総数6万、海賊ラフィットの邸の家具調度が時価に見つもって10万ド |
ル、などという数字を参考のためにしるしておこう。 <物語> 1812年、アメリカ合衆国はイギリスとはげしい戦争を行い、敗色が濃くなっていた。 そのため、合衆国の南部の要衝ニュー・オリーンズが強力なイギリス軍に占領される危機 にさらされていた。ニュー・オリーンズが占領されたら、アメリカはイギリスの軍門にくだるほかはなかった。 アメリカ軍を指揮しているアンドリュー・ジャクスン将軍は、イギリスの大軍と戦うほか に、もう一つ頭痛のたねがあった。ニュー・オリーンズの近くのバラタリアという島を 海賊ジャン・ラフィットに占領されていることであった。バラタリアはニュー・オリーンズの表口を おさえている重要な地点なので、ジヤクスンとしては、どうしてもラフィットを味方につけたいのだった。 しかし、ラフィットは首に賞金をつけられている身なので、アメリカにもイギリスにも力を貸そうとしなかった。 海にのり出して獲物をおそい、堂々と市場をひらいてかすめてきた品物を売りはらい、多くの部下をしたがえて、王様のよう にふるまっていた。部下のなかにドミニク・ユーという男がいて、ラフィットの片腕になり、すべての采配をふるっていた。 武勇すぐれたラフィットは恋にもつよく、アネット・クレイポーンというニュー・オリーンズでも評判の美女に想われていた。 しかし、アネットは総督の娘だったので、ラフィットを慕いながらも、父のためを思うと、 ラフィットのもとに走ることもできず、小さな胸を痛めていた。 そのころ、アネットの妹マリーが恋人のアントニオ・コロナと船に乗って旅に出た。 ・・・ (121分) |