暴力教室<Blackboard Jungle> (55年) |
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<スタッフ> 製作 監督・脚色 編曲 <キャスト> リチャード・ダディエー アン・ダディエー ジム・マードック ロイ・ジャドビイ・ハモンド グレゴリア・W・ミラー アーティー・ウエスト |
パンドロ・S・バーマン リチャード・ブルックス チャールス・ウォロコット グレン・フォード アン・フランシス ルイス・カルハーン マーガレット・ヘイズ シドニー・ポワティエ ヴィック・モロー |
先般紐育で4人の少年が戦慄すべき殺人を犯し、全米を恐怖の渦に捲き込んでしまった。
彼等は何の動機も理由もなく面白そうだと思って恐るべき犯罪を平然と遂行したのである。
戦後特に問題となっていた10代の性犯罪に関するアメリカの話題はこの事件で沸騰し、
今や一番重大な社会問題となっている。青少年の教化運動を緊急に
推進しなければ、アメリカの道義は10年を出ずして地におちてしまうのではないかと
憂慮きれているのが現状である。
更に悲しいことにはこれらの問題を調査した上院議議員会は議会に於いて 「我々は少年犯罪撲滅の戦いに敗れようとしている」と報告した。 これはただアメリカばかりではなかった。第二次大戦後多くの国が青少年の 不良行為とその原因や、結果に悩まされている。特にその 不良行為が学校内で醸成されることがあるのが大きな悩みである。 一般の人々がこれに対して覚醒することが、常にこの間題に対する 最良の医薬となるものだとMGMは信じ、最近の社会問題に対し真向から取り組んだのが この作品である。勿論この映画に使用された「場所」も「事件」も共に仮空のものであり、くまでこんなこ とが発生しないことを祈って製作されたものである。 原作はエヴァン・ハンターのベストセラー小説「ブラックボード・ジャングル」で、 雨の朝巴里に死す″あの高地を取れ″等のリチャード・プルックスが脚色と監督をし、 バンドロ・S・パーマンが製作した1955年度作品である。 主演は特異な性格俳優として著名な欲望の谷″のグレン・フォードが、 不良学生に体当りをする教師を演じ、その妻に「日本人の勲章」「r悪徳警官」等で メキメキ売り出したアン・フランシスが扮する。 その他老練ルイス・カルハーン以下若くて演技の達者な少年俳優が大勢出演している。 尚主題曲ロック・アラウンド・ザ・クロックは現在全米で |
大流行をしている
最も新しい形式のもので、ビル・ヘイリイとその楽団が吹き込んでいる。
<物語> リック・ダデイエーは海軍帰還将校で、やっと大都会の下町にある 職業指導学校の英語教師の職に就いたが、此の高校は高架電車のガード傍にあり 文字通り都会の騒音に包まれた、悪い環境――そして、生徒達は、丸で、 勉学の意志を持たず、戦後の悪風潮の波に満風をはらんでのっかっているかの如き、 不良団の集りである。 就任の日、此の学校に12年も教鞭をとり、生徒達にはとっくに見切りをつけている、 先輩教師ジムは、新任の教師達に向って、"此の学校は恰度大きな残飯入れ、 なんだよ少くとも授業時間中、町の女が安心して歩けるように、我々は唯その残飯缶に 蓋をしてのっかっているだけの事だ"。 然し待望の教職についたダデイエーは、必ず、此の少年たちを 導いていく方法があると固く信じて、真正面から自分のクラスにぶつかっていった、 ダデイエーの妻アンは、出産まで後三ケ月の身重だったが就職の決定した夕べ、 2人は街のレストランで、シャンペンを抜き、希望の前途を祝い合った。 2人が外に出た時、突然、疾走して来たた一台の自動車が レストラン前に駐車していた車を、横倒しにはね飛ばして行った。 2人は今一歩というところで難を免れたが、これは、毎日のように起る、 彼の学校の生徒達のいたづらであり、町の人々も、警察も、これには手を焼いている。 こうして、ダデイエーは教師としてのスタートをきったのだが、 一方には、流産の経験に、なやむ身重の妻をかかえ、一方には、先生を先生とも思はぬ、 不良少年の群れを相手に、予期以上の苦難が待っていた。 ・・・ (101分) |