真昼の脱獄<Big House, U.S.A.> (55年) |
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<スタッフ> 製作 監督 脚本 撮影 編集 音楽 <キャスト> ロロ・ラマー ジェリー・バーカー エミリイ・エヴァンス アラモ・スミス マシンガン・メイスン |
オーブリィ・シェンク ハワード・W・コッホ ジョン・C・ヒギンス ゴードン・エイヴィル ジョン・F・シェイヤー ポウル・ダンラップ プロドリック・クロフォード ラルフ・ミーカー ランディ・ファー ロン・チャニー ウィリアム・トールマン |
「真昼の脱獄」は、冷酷非情な5人の凶悪犯の脱獄を強烈なタッチで抉った
アクション・ドラマだ。
この映画がつくられた1955年頃、アメリカ各地の刑務所ではあいついで 暴動や脱獄が起こり、新聞紙上を賑わしていた。日本でも、この報道が マスコミの波にのって話題となった。 アメリカの刑務所で、金城鉄壁を誇っている刑務所が3ケ所ある。 サン・ケンティン、シンシン、そしてこの映画の舞台となっているカサベルだ。 これらの刑務所は、もっとも凶悪な犯罪者のためのものだ。 「真昼の脱獄」は実録を基につくられた。この種の映画は、元来、 普通のギャング映画に比べて、数多くの制限があり、製作上、数段扱いにくいとされている。 さらに、登場人物には強い個性の役柄が要求される。この映画でも、 演技派のベテランばかりをキャストに組んでいる。 脱獄囚の主謀者に、アカデミー主演男優賞に輝き、今、 テレビの人気番組ハイウェイ・パトロール〃のダン隊長でおなじみの プロドリック・クロフォード。舞台俳優で、ニューヨーク批評家協会賞を受けた ラルフ・ミーカー。特異な性格俳優ロン・チャニー。テレビ番組ペリー・メイスン≠ナ メイスンの好敵手バーガー検事のウィリアム・トールマンらが火の出るような競演を展開している。 脚本は、「夜歩く男」や「敵中突破せよ!」のジョン・C・ヒギンスのオリジナル。 監督のハワード・W・コッホはわが国ではあまり知られていないが、この恐るべき物語を |
容赦なく押しまくり、近来にない非情なアクション・ドラマに仕上げた手腕は注目に価いしよう。
音楽は、「拳銃稼業」や「死刑五分前」のボウル・ダンラップが担当し、
異色ある旋律を全篇に漂よわせている。
<梗概> 富裕なランバート家は大騒ぎだった。ダニイ少年が、ノース・コロラド州のキャンプから 姿を消したからだ。誘拐かもしれない。青くなった少年の父親は、費用はいくらかかてもいいからと、 全国的な捜索を警察に依頼した。 その翌朝のことだ。ジェリー・バーカーという男が、ダニイ少年を見つけた。 しかし、事情を知ったジェリーは、少年をある古い監視塔に閉じ込め、父親に、10万ドルの 身代金を要求した。 子供の命を気づかった父親は、犯人の申出を受けることに決心した。 要求通りの金額を揃えて、ジェリー・バーカーに渡した。 ところが、ダニイ少年は塔から飛び降りて逃げだしたのだ。驚いたジェリーは、 すぐ少年のあとを追った。ダニイは懸命になって逃げたが、子供の足ではとうてい逃げられるものではなかった。 彼はついに断崖の上へ追いつめられてしまった。 ジェリーはダニイを捉まえると、非情にも崖から突き落としてしまった。 少年の小さな体は白く波頭を立てている海の中へ沈んで行った。ジェリーは踵を返すと、 塔の下に札束を埋めた。 FBIはジェリー・バーカーを逮捕した。しかし、 ・・・ (82分) |